ポテンシャルがあがる温度は?

窪塚「現場を作るのって、わりと最近、30歳を過ぎてから意識的にできるようになったんですよ。20代の前半とかは、“俺! 俺!”で超自己中心でいましたね。今は自分が芝居をしやすい状況を作るために、現場を作るっていう。ただ、それは自己中心的にやるんじゃなくて、みんなのポテンシャルが上がるような温度にしていく」

 いい作品を作るためには、自分がいい芝居をしなければならない。それを実現するため、自分だけでなく現場にいる全員が、いいパフォーマンスをするために温度をあげていくのだという。

窪塚洋介 撮影/初沢亜利

窪塚「お風呂の温度でいったら、35度ってちょっとぬるいじゃないですか。でも45度だと熱いし、40度ぐらいがちょうどいい。ぜんぜん集中していない現場、カメラの前でおしゃべりしているような人間がいるのを35度だとすると、カツカツに緊張していいパフォーマンスができない状態が45度。

 だったら自分の態度だったり、言葉でもいいし行動でもいいけど、ちょうどいい40度の温度にするのが、大事だなと思うようになったんですよ」

 窪塚さんの「お待たせしました!」で、取材現場の温度は見事に40度になった。その現場を作る意識は、窪塚さんが出演する最新映画『スイート・マイホーム』の監督、齊藤工さん(42)、主演の窪田正孝さん(35)も実践していたようだ。