手作り弁当を差し入れ「スタッフは決まった時間にきちんとした食事が取れません。だから少しでも…」

「やっぱり、いただきものをしたら、きちんとお礼は言わないと。お礼状などは出すようにしていますね。字も下手だし、恥ずかしいんですけど、ちゃんとお気持ちが届きましたよ、ということはお伝えしないと、お送りいただいた方に申し訳ないので。そのことだけはお伝えするようにしています」

 過酷なドラマの撮影現場を乗り切るため、地方ロケの合間に食材を買い込んで、即席の料理を振る舞うことも少なくないという料理上手の名取。

 さらに、専属スタイリストやヘアメイクやマネージャーはもちろん、ラジオ番組のスタッフに手作り弁当を差し入れすることでも有名だ。「放送局の仕事は時間が不規則なので、スタッフは決まった時間にきちんとした食事が取れません。だから少しでも栄養が摂れる食事をと思って」と、その理由を語っている。

 こうした心遣いは、地方ロケでお世話になった人々にも向けられ、そこからの縁で全国各地から食材が送られてくることにつながっているのだ。

名取裕子 撮影/有坂政晴

―名取さんが考える本作の一番の見どころはどこでしょうか?

「コマーシャルなしで2時間ドラマを映画館で続けて見られるというのは、ゆっくりとリラックスできて、しかも訪問者などに妨げられることなしに、笑ってみていただける点かなと思います。

 2時間ドラマは最初の頃、松本清張先生の原作とか、サスペンス色の強いものが多かったんですけど、各局が作るようになってからは、もっと明るくて軽くて、日本各地の絶景名所が入って、温泉があって、ちょっとラブコメ風の男女のやり取りがあって。

 そして推理ができて、でも最終的には追い詰められた犯人が自白して罪を償う気持ちになって終わるというカタルシスがあったりしますよね。

 さらに、そのときに知りたいと思うような旅の情報やグルメの情報も入っていて、家でリラックスして見られる。犯人が“当たった!”とか“いやー、当たらなかった”とか言いながら」

――確かに、犯人当ては2時間サスペンスの醍醐味ですね。でも、本作の犯人探しは難しかったです。ベテラン俳優さんばかりで、誰が犯人でもおかしくない(笑)。

「思わせぶりな“誰が犯人なの?”みたいな視聴者を戸惑わせるシーンも多かったですよね。みんなが犯人みたいに見えるようなサスペンス感を、監督が上手に編集してらっしゃるんで、そうなっていたと思います」

 W主演の名取と友近の脇を固めるのは、水野真紀、東ちづる、中山忍、風間トオル、国広富之といった、まさに2時間サスペンスの“常連”とも言える豪華俳優陣。

 主題歌には、かつて『火曜サスペンス劇場』の象徴だった竹内まりやの名曲「シングル・アゲイン」が起用され、往年のファンにはたまらない布陣となっている。

――では、長年の名取裕子ファンにとっての一番の見どころは?