「またあの自分に戻ってしまうんじゃないかと思って」過去の自分がいつまでも追いかけてくる

──自分の中にあった理想とのギャップを感じてしまったのでしょうか。

「要は自分に期待しすぎていたんです。もっとできると思っていた自分が、できていなかったという自己評価と向き合ってしまって、すごい虚無感というか。“おまえ、そんなもんか”と。頑張っても頑張っても、うまくいきませんでしたね」

玉山鉄二 撮影/有坂政晴

──どのように光が見えてきたのですか?

「徐々に、です。僕が臆病なのは、そのときの経験があるからかもしれません。あるとき、10年越しぐらいに、そのときと同じ脚本家さんから声をかけていただきました。しかも主演で。最初は怖すぎてお断りしたんです。またあの自分に戻ってしまうんじゃないかと思って。
 でも“食事だけでも”ということで行かせていただいたときに、“こんなことがあって”と事情をお話したら、びっくりされていました。そこから持ち帰っていろいろ考えたときに、“これを引き受けて払拭(ふっしょく)しないと、十字架を背負い続ける人生になる”と思い至って、お引受けしました」