2017年に兼近大樹とともにお笑いコンビ「EXIT」を結成したりんたろー。。チャラ男のキャラで活動する彼らだが、その裏には仕事への真面目な姿勢が見え隠れしている。りんたろー。の「THE CHANGE」とはなんだったのかーー?【第1回/全2回】

りんたろー。 撮影/弦巻勝

売れなかった時代、介護のバイトをしていた

 僕、こう見えてお笑い芸人として売れなかった時代、介護のバイトをしていたんですよ。きっかけは、介護施設が新しくオープンするっていう広告を見たこと。僕は資格を持っていなかったんですけど、資格を持っていなくてもできるというのがあって、これなら介護の仕事のキャリアは関係なく、横並びでスタートできるし、やってみようって思ったんですね。

 僕自身はおばあちゃん子だったので、高齢者の世話をするのに苦手意識はありませんでした。それに、働き始めた後で、今やっているようなチャラ男のキャラでの活動を始めたんですね。介護を長く続けてるうちに、もちろん、やりがいも感じていましたが、このバイトを通じて、「チャラ男×高齢者」で面白いエピソードが生まれるんじゃないか、ネタになるんじゃないかって計算していた。そういう意味での不純な動機も、少しはあったんじゃないかな(笑)。

 思い返すと、介護施設で働き始めた当時は、以前組んでいたコンビが解散して間もない頃で、「自分みたいなやつとは、誰も組みたがらないんじゃないか」って自信を喪失していた時期でもあったんです。

 そんなある日、僕が担当しているおじいちゃんを車椅子に乗せて散歩していたら、そのおじいちゃんから、「お兄ちゃん芸人なんだろ。頑張んなよ」って声をかけてもらったんです。その言葉に、すごく救われたんですよね。

 自分の中では、自身の評価をすごく下に見ていたけど、でも、それってすごくちっちゃなコミュニティでの話なんじゃないかって思えたんです。だったら、「自分はもうここまでやり切った、もう動けない」と思うところまで、芸人をやってから辞めてもいいのかなって思えたんです。