林士平流コミュニケーション術「なるべく礼儀正しく、そしてなるべく丁寧に」
どう伝えるのかは、仕事論のなかでも大事な要素のひとつだ。世の中で働く人たちの多くが、その難しさを感じている。では、林さんが伝え方で意識していることはどんなところなのだろう。
「なるべく礼儀正しく、そしてなるべく丁寧に、っていうことですね。自分は伝え方がうまいとは思っていないので」
基本中の基本とも言える、仕事相手と向き合う姿勢について語る林さん。「ちょっと上手くいかなかったな、みたいなこともあるんですか?」とうかがうと、「そんなのしょっちゅうじゃないですか?」という。
「今日の打ち合わせ、駄目だったなと思うことはたくさんありますよ。でも、作家さんのフェーズや状況によって、刺さる言葉と刺さらない言葉があると思うんです。そうした経験が積み重なっていく中で、やればやるほど上手くなっていくのかもしれないですね。ただ、完璧なことはほとんどないんじゃないかとも思っています。同じ言葉でも受け取り方は違いますし、同じ状況で同じ言葉をかけたとしても、違う場合もあるはず。それは仕方がないことなので、自分なりにちゃんと伝えて、それで駄目だったら仕方ない、くらいの気持ちで向き合っています」
風間さんとの対談では、「作家さんと接するときには演じている」「ペルソナ(仮面)を使い分ける」といった話も印象に残った。その点について、さらに一歩踏み込んで話を聞いた。
「それは間違いなくやっていると思います。最近になってだんだん自分に統一されつつある感じ。若いときはいろいろな顔を使い分けていたけど、最近はそのままの自分をぶつけるほうがいいと思うようになってますね」