2024年に「第32回橋田賞」を受賞、さらに映画『ナイトフラワー』では「エル・シネマアワード2025」にてエル ベストアクトレス賞に輝くなど、確かな実力で日本映画界を牽引する俳優・北川景子。
2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』での好演も記憶に新しく、その圧倒的な存在感で常に話題を呼んでいる。
デビューから20年以上が経過し、39歳を迎えた彼女のプライベートは、タレントのDAIGOと結婚し、現在は2児の母として多忙な日々を送る。SNSでは子どもに手作りの服や小物を作る様子を発信し、最近は手芸雑誌でかぎ針編みに初挑戦するなど、等身大の温かな素顔も共感を集めている。
俳優として、そして一人の女性として、ライフステージのCHANGEを軽やかに乗り越えてきた彼女が今回挑むのは、いよいよ公開を迎えた湊かなえ原作の映画『未来』。人生の深淵を覗き込むようなヒリつく世界観の中で、彼女は何を感じ、どう向き合ったのか。過酷な役作りから、デビュー作『美少女戦士セーラームーン』(CBC/TBS系)から始まった役者道、そして、多忙な毎日を支える驚きの「時短術」や「美の秘訣」まで。常に「今」を全力で生きる北川景子の人生の転機と、凛とした現在地に迫る全4回の双葉社 THE CHANGE特別インタビュー!(第1回/全4回)
文乃という難役と向き合うための「ビー玉の目」
いよいよ全国公開を迎えた映画『未来』。7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われる現代日本を背景に、社会の片隅で押し殺されてきた“見えない声”をスリリングに描き出した湊かなえの同名ミステリー小説が原作だ。
物語は、主人公である教師・真唯子(黒島結菜)の教え子・章子のもとに、ある日「20年後のわたし」から一通の手紙が届くところから大きく動き出す。章子は半信半疑のまま返事を書くことで、父を亡くした悲しみや、心を閉ざした母との孤独な日々に耐えていたが、やがて母の新しい恋人からの容赦ない暴力や壮絶ないじめに追い詰められ、友人とともに「親を殺す」という禁断の計画を立てる絶望の淵へと沈んでいく――。
本作で北川景子が演じるのは、その章子の母親・佐伯文乃だ。文乃自身も実の父親から凄絶な過去を背負い、自分が大切にされた経験がないため、我が子への愛し方がわからなくなってしまったという難役である。
「原作は7~8年前に発売されたときに、湊かなえ先生のファンなので拝読していて。今回オファーをいただいて、改めて文庫で読み直しました」と、北川は振り返る。文乃というキャラクターを演じるにあたり、彼女が徹底的にこだわったのは「目」の表現だった。