初期に決めた「映像の道」と、恩師・森田芳光監督への思い
今や日本を代表する実力派俳優としての地位を確立している北川だが、その原点は2003年のドラマ『美少女戦士セーラームーン』(CBC/TBS系)にある。
「ファッション雑誌『Seventeen』の仕事をしていく中で、モデルとして食べていくというよりは、お芝居で食べていきたいなと思うようになりました。当時は身長が低いことがコンプレックスで、周りのモデルさんと並んで撮影するときもバランスが悪くて。顔のアップのメイクページには呼んでもらえるんですが、全身が映るファッションページにはなかなか呼んでもらえなくて。モデルの仕事は自分には向いていないなと、やっていて思ったんです。
同世代のモデルが年齢を重ねて次の雑誌にステップアップしていくのを見て、自分は映像の道でやっていきたいなと。ドラマ『美少女戦士セーラームーン』をやっているときのほうが、やっぱり自分は向いているんだなって思ったんですね。わりと本当に初期の段階で、映像の道でやっていきたいと決めたんです」
その後、数々の話題作に出演してきたが、北川は自身のキャリアを「これで一気に有名になったというよりは、コツコツやってきたという感じ」と、冷静に分析する。
「一つ一つの仕事が本当に数珠つなぎになったみたいな感じで今がある」と語る彼女だが、大きな出会いとして、自身の映画初出演作でもある『間宮兄弟』(06年)などでタッグを組んだ故・森田芳光監督の名前を挙げた。
「森田監督との出会いはすごく大きかったです。何作も呼んでくださって。正直、亡くなられた後は、そういう方はもう現れないのかなと不安もありました。でも最近は、(連続ドラマW『落日』や映画『ナイトフラワー』などでご一緒した)内田英治監督がよく呼んでくださって。久しぶりにタッグを組んでやってくださる方が現れて、今すごくうれしいなと思っています」
近年は『ナイトフラワー』や『ばけばけ』(NHK)、そして本作『未来』と、過酷な状況に置かれた母親役などハードな役回りが続いている。役の感情に引っ張られて気持ちが重くなることはないのだろうか。
「あんまり役に引っ張られることはなくて、そんなに苦労はしないです。家に帰ったら子どもたちがいてやることもありますし、自然とそれをやっているうちに切り替えが自動的になされているというか。ずっと役のままだと、たぶん本当にしんどくなってしまうので、本番以外は役のトーンではいないかなと思いますね」
と、母としての慌ただしい日常がオンとオフの切り替えに役立っていると明かす。
一方で、ハードな役が続く現状に対し、少しおどけてこうも語る。
「インタビューで真面目に答えなきゃいけないことが多くなるので、そろそろ楽しんでやりたいな、というのは、ずっと言っています(笑)。社会に一石を投じる作品ではない、『ハンサム・スーツ』みたいな、適当にバカやってる楽しい作品もやりたいなっていう欲は出てきましたね」
魂を揺さぶる重厚な役を演じ切る実力があるからこそ、次なる「CHANGE」につながる、明るくて楽しい作品へ出演したいという渇望も生まれてくるのだろう。今後、コメディエンヌ北川景子がスクリーンで躍動する姿にも期待したい。
つづく
作品情報
タイトル:未来
公開日時:2026年5月8日(金)公開
配給:東京テアトル
出演:黒島結菜
山﨑七海 坂東龍汰 細田佳央太 近藤華
松坂桃李 北川景子
原作:湊かなえ『未来』(双葉文庫)
監督:瀬々敬久
脚本:加藤良太
製作幹事:東京テアトル U-NEXT
配給:東京テアトル
企画・制作プロダクション:松竹撮影所
PG-12
Ⓒ2026 映画「未来」製作委員会 Ⓒ湊かなえ/双葉社
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