現場で生まれた「青春」
作品はシリアスなシーンが多いクライムサスペンスだが、ふたりの和やかな雰囲気が、現場をあたたかにしたにちがいない。
ーー板垣さんは明るくて人懐っこいキャラクターですよね。
桜井「そうなんですよ」
板垣「正直に言っているだけなんですけどね」
桜井「ほらー、そういうところだよ！ でもこのままでいてほしい（笑）」
現役の青春感が伝わってくる関係のふたりだが、ドラマではより濃密な青春を感じたことが、なにより印象に残っているという。
桜井「土手を、千里と恵南が手をつないで走るシーンがあるんです。あれは、青春したな～！ と思いました」
板垣「あれはよかったよね。しかもさ、不意に青春にならなかった？ あのシーン。なんか準備してました？ こんなに青春になるほどの準備を」
桜井「そうだね、こんなに青春になるとは思ってなかった。もっと悲壮感漂うシーンになると思っていたんだけど、全然ちがったよね」
沈みかけの夕日が川をオレンジに染め、全力で走るふたりはキラキラとした粒を全身に浮かべて。そんな光景を目の当たりにした桜井さんは「私にとって、あのシーンは“希望のシーン”」と強調する。
桜井「この作品のなかでも数少ない希望もあり、キュンもあり。台本を読んだ時点では、まさかこんな気持になるなんて思ってもいませんでした」
青春は作為的に作れるようなものではなく、ふたりだからこそ自然発生してしまったようだ。
板垣瑞生（いたがき・みずき）
２０００年１０月２５日生まれ、東京都出身。２０１４年に『闇金ウシジマくんＰａｒｔ２』で映画デビュー。翌年、１万人のなかからオーディションで選ばれ『ソロモンの偽証 前篇・事件／後篇・裁判』で神原和彦を演じ、好評を博す。第２５回日本映画批評家大賞新人賞を受賞した。２１年にはＮＨＫ大河ドラマ『麒麟がくる』で森蘭丸役を演じ、多くの視聴者から注目された。
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桜井日奈子（さくらい・ひなこ）
１９９７年４月２日生まれ、岡山県出身。２０１５年にＬＩＮＥ ＭＵＳＩＣのＷＥＢ ＣＭに起用されると、あまりの美少女っぷりにまたたく間にその名が知れ渡り、“岡山の奇跡”と呼ばれるように。昨年４月までＮＨＫの『沼にハマってきいてみた』で初のレギュラーＭＣを担当するなど、幅広く活躍。
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ドラマ『夢で見たあの子のために』
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