チャンネル登録者数95万人超えの推理系ユーチューバーにして、「ネット界の江戸川乱歩」とも呼ばれる作家・雨穴。2021年に覆面作家としてデビューし、自身初の書き下ろし長編小説『変な絵』(双葉社)は45万部を突破するベストセラーになるなど、発売から8か月が過ぎた今でも話題を呼んでいる。わずか2年で、著書累計100万部超えの人気作家となった雨穴さんの人生における「THE CHANGE」とは――。【第3回/全3回】

雨穴 写真/本人提供

  2021年に作家デビューし、『変な家』(飛鳥新社)、『変な絵』(双葉社)と立て続けに大ヒット作品を生み出している雨穴さん。人気作家になったことで、人生に「CHANGE」は起きたのだろうか?

「本を出す前は個人でモノづくりをしていたので、その頃と比べると、協力してくれる人も増えて、大きな規模のモノづくりができるようになったのが一番の変化ですね。

 ただ、その一方で、自分が誰に向けて作品をつくるのかという気持ちは変えないようにしています。本が売れると、ありがたいことに、私のことを作家や小説家として見てくれる機会が圧倒的に増えました。すると、心の片隅で、もっと文学的で、もっと高度な文章表現をしたほうがよいのではないかという思いが出てくる。

 でも、私の作品が支持されているのは、分かりやすい文章で、本が苦手な人でも抵抗なく読めるからです。その点は忘れないようにして、これからも作品をつくっていこうと思っています」