大きな転機となった高橋留美子の『うる星やつら』
高橋留美子の『うる星やつら』をアニメ化したシリーズは、1981年から86年までテレビ放送され、劇場版も6作品が製作されるなど、驚異的なヒットを記録。神谷さんはメインキャラクターのひとり面堂終太郎を演じた。
――面堂終太郎くんの二面性は私も大好きです!
「それまで二枚目のキャラクターをずっと演じてきたのですが、二枚目半をやらせていただきました。それが三枚目への糸口となって『キン肉マン』へと繋がりました。ひとつひとつがチェンジですね。そしてその集大成が『シティーハンター』の冴羽リョウです」
――冴羽リョウは神谷さんだからこそ生み出せたキャラクターですが、やはりタイミングも大きかったんですね。
「大きいです。冴羽リョウのようなキャラクターをやりたいとは、ずっと思ってきましたが、頭の中ではできても、きっとあのタイミングより前の僕では演じることができなかったんじゃないでしょうか。すべての役に、いいタイミングで出会えたと思っています。
僕はものすごい幸運の持ち主ですよ。僕のフィルモグラフィーを見てもらえれば分かります。ひとつひとつ、すべてが僕にとってのチェンジです」
積み上げてきた実績があるからこそ、神谷さんの言葉には説得力が伴う。
神谷明(かみや・あきら)
1946年9月18日生まれ、神奈川県出身。冴羽商事代表。日本を代表するレジェンド声優のひとりであり、歌手、ナレーター、タレントなど幅広く活躍している。1970年に劇団「テアトル・エコー」に入団。声優として活躍中の所属俳優が多かったことから、声優としての活動を開始した。北条司による同名漫画をアニメ化し、87年よりテレビ放送がスタートした『シティーハンター』で演じた冴羽リョウを、自身でもっとも好きなキャラクターと公言する。2023年9月8日より『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』が公開中。