1回戦が始まったばかりのM – 1グランプリ2023で、イチオシしたい芸人が令和ロマンだ。M – 1グランプリ2022の敗者復活戦で鮮烈なネタを披露すると、視聴者投票2位に食い込んで今後の活躍を期待させた。その後も各劇場を沸かせて、7月の『ABCお笑いグランプリ』で準優勝。令和ロマンとは何者か。その正体に迫った。
令和ロマンのTHE CHANGEとは――。【第2回/全4回】
「知らない人はごめんなさい」と思いながら漫才をしてます
――コンビの片方が社交的というケースも多いと思います。
くるま どっちも社交性はあって、タイプが違うんです。僕がネタを作っているほうの先輩とかテレビの制作側とか、難しい話をする場に呼ばれて。ケムリさんは女の子がいる場にしか呼ばれない。肉欲の権化として。
ケムリ 違いますから。お酒が好きな先輩に呼ばれることが多いだけです。
―― 令和ロマンはマニアックまではいかないけど、そのカルチャーを知っていないと理解しにくいネタも多いと思います。
くるま 「知ってる人だけついてこい」なんて気持ちはなくて。「僕はこれしか知らないので、これでお笑いやってもいいですか?」という姿勢なんです。本当はもっと勉強して、老若男女が理解できるネタをやらなきゃいけないと思うけど、お酒を飲む時間のほうを優先してしまう。それで、ネットフリックスのドラマを観て「これで漫才を考えちゃおう」と。「知らない人はごめんなさい」と思いながら漫才をしてます。
――狙いがあるわけではないんですね。
くるま 勘違いされがちだけど、無理なくお笑いをやりたいからなんです。あと、「事実が好き」というのはあって。替え歌で笑わせるより、そのまま歌うことで笑わせたいんです。みんなボケているので、そうじゃないほうにいこうと。
ケムリ 好きな作品を紹介したい、というのもあるんじゃない?
くるま そうだね。いろんなフォーマットがある中で、わりと得意な漫才で紹介しているだけで、配信が得意ならYouTubeにアップしているかもしれない。
――ケムリさんのツッコミは、無駄をそぎ落とした結果ですか?
ケムリ あまり息が続かなくて。
くるま タバコを吸い過ぎて肺活量が足りない(笑)。
ケムリ 僕も無理なくお笑いをやりたいんです。
くるま メンタルもフィジカルも弱いコンビでした。
ケムリ 「一言しかツッコめなくてごめんなさい」と思いながら舞台に立ってます(笑)。
くるま 厳密には「なんでだよ」とも思ってなくて、普段はボケに対して笑っているだけの人なんです。本来ならそれでいいんですけど、漫才だから笑い声の代わりに「なんでだよ」と言ってる。最終的には、インディアンスのきむさんみたいに爆笑しているだけの時間が数分続くようになりたい。
ケムリ もちろんです。