うまくいかなかった番組収録のあと有吉弘行に楽屋で言われた言葉
――『THE SECOND』決勝前、オードリーもナイツもマシンガンズに期待を寄せていました。
「ありがたいですよね。いま思うと「漫才米騒動」の頃は青春でした。『だが、情熱はある』(日本テレビ系)を観て、ドラマ自体は面白かったけど、あの頃を思い出して胸が苦しくなったんです。めっちゃ頑張っていたけど、結果が出ない時期でしたからね」
――ゴミ清掃で注目され始めた時、有吉さんから「真摯にゴミのことだけを伝えたほうがいい」と言われたことも、滝沢さんにとって「THE CHANGE」のひとつだったとか。
「有吉さんの番組に出させてもらった時、“笑わせたほうがいいのかな”と思って余計なことまでしゃべったら上手くいかなくて。収録後、有吉さんの楽屋に伺ったら“真摯に伝えろ”と言われたんです。有吉さんの教えに従ってゴミのことだけをまっすぐ伝えようと意識していたら、仕事が増えていきました。
芸人は自分や共演者をよく見せる仕事だけど、ゴミの仕事は世の中をよくすることなので、自己顕示欲はいらないんですよね」
――今後、やってみたいことはありますか?
「芸人を続けながら、もっとゴミの活動に力を入れたくて。今後、海外のゴミ問題に取り組みたいんです。スモーキーマウンテンが有名なフィリピンもそうだし、マレーシアは日本などの国から廃プラスチックが大量に輸入されています。それと、海外から日本に移住した方にゴミの分別を促したくて。今後、日本は移民が増えると思うので、ゴミの文化の違いをわかってもらう必要があると思うんです。いまは、そのために英語を習い始めています」
――ナイツ塙さんからのリクエストもあった漫才協会入りも決まりましたが、東洋館などの寄席に出たい気持ちはありますか?
「タイミングはマネージャーに任せています。若手中心のライブでは、マシンガンズの名前が呼ばれただけで、スベッているような空気になっていました。若手を観たいお客さんにとって、おじさんの5分ネタは邪魔でしかない。
僕らも求められていないと感じながらネタをやるのはツラいですから。求められている場所があれば、ネタはやり続けたいです」
■プロフィール
滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年生まれ、東京都出身。1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」結成。2012年から芸人と並行してゴミ収集会社に就職。『このゴミは収集できません』(白夜書房)『ゴミ清掃員の日常』(講談社)など、ゴミ収集中の体験を記した書籍を多数出版。ゴミホラー小説『かごめかごめ』(双葉社)2023年『THE SECOND~漫才トーナメント』(フジ系)ではマシンガンズが準優勝に輝く。