大人に、私の話を真剣に聞いてもらうため

 2020年8月、約3万人のライバーの頂点に立ち、晴れて有言実行を果たした福岡さんだが、当初から目的は、単に「1番になりたい」わけではなかった。明確なトップライバーにこだわらなければらない理由があった。

2020年に戴冠した時の写真/本人提供

福岡「大人に、私の話を真剣に聞いてもらうためです。思ったとおり、“ライブ配信日本一”という肩書きがついたからこそ、大人たちからまともに相手にされるようになりました。大人が真剣に話を聞くときって、お金が生み出されるときじゃないですか」

ーーそれまで「相手にされていない」という屈辱的な感覚があった?

福岡「めちゃくちゃありました。だって、なんの結果もない、何も生み出していない、フォロワーがいるわけでも有名でもないただの“ああ、かわいいじゃん”程度の大学生だったから。それって、芸能界やSNS上に存在していると言えないから、悔しいなって思っていたんです」

 目的を達成した福岡さんは、ほどなくライバーを引退。戦略通り、“かわいい女子大生”から、“ライブ配信日本一”の肩書きにCHANGEすると、またたく間にオファーが急増した。4年前の「自分でやるしかない」という奮起が、実を結んだのだ。

■福岡みなみ(ふくおか・みなみ)
1995年5月1日生まれ、広島県出身。東京理科大学卒業後、タレント活動を開始。2020年3月、ライブ配信アプリ『Pococha』でライバー活動を開始すると、わずか半年弱で日本一に。累計約1億円を稼いだ。その後、ライバーとしての経験を生かし、ライバー事務所『LiveーLabo』を設立。タレント業と並行しライバーの育成・マネジメントに携わるも、同11月に代表を退任。2023年8月よりバラエティ番組を主軸に活躍中。美容マニアで、SNS上で若い女性たちから絶大な支持を得ている。