1999年の俳優デビューから、25年目を迎えたオダギリジョー。映画『血と骨』、『ゆれる』、ドラマ『時効警察』シリーズや、演出も務めた『オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ』、NHKの朝ドラ『カムカムエヴリバディ』とさまざまな顔を見せてきた。さらに監督・執筆業やミュージシャンとしても活動し、決してひとくくりにできない男である。盟友・石井裕也監督と5作目のタッグを組んだ映画『月』は大きな問題提起の一作となった。そんなオダギリさんのTHE CHANGEを探る。【第1回/全4回】

オダギリジョー 撮影/三浦龍司

 世に問う作品を放ち続ける映画製作・配給会社、スターサンズの事務所にグレーの上下コーディネイトで現れたオダギリジョーさん。ご本人はリラックスした様子だが、あふれるオーラに、こちらが勝手に緊張してしまう。

 机の上に置かれた砂時計に気づくと「これは?」と問いかける。「THE CHANGEの砂時計です」と答えると「そうなんですね」とあくまでフラットな返事をしてくれる。

 今年、俳優デビューから25年目になるが、演じる役柄に縛りがないように映る。若い頃からこれまで、変化したことは? と尋ねてみた。

「基本は変わってないと思います。もちろん、いろんな人に出会ったりして影響を受けたりということはありますが、でも芯の部分は変わらないです。若い時から、例えば養成所の時から何も変わっていないと思います」

 そう語るオダギリさんは、19歳の時にアメリカへと渡り、メソッド演技法を学んでいる。“芯の部分は変わらない”と言う意思の強さは、デビュー後、ときに周囲と摩擦を生んでいたようだ。

「昔は、ずいぶん生意気だったと思います(笑)。『扱いにくい俳優』とよく耳にしていました。40歳を超えて、やっと言われなくなりましたが。それは結局、立場や責任や信頼において、ようやく年齢が追いついて来たんだと思います。この年になってやっと周りが認めてくれるようになり、生意気だと扱われなくなっただけだと思っています。