CGを使った撮影では認識が難しい

 「最初の本読みのときから、パソコン上で軽いざっくりとしたCGは見せてもらっていたんです。こういう感じで襲っていきますみたいな。サイズ感とか襲い方とかを見せてもらっていました。そこでぼんやりと、重量感とか音なんかのイメージを掴んでいました」

青木崇高 撮影/冨田望

――たしかに“ぼんやりと”になりますね。しかも、キャストのみなさんそれぞれの頭の中でイメージしていくわけですし。

 「実際の撮影でも、“この辺に顔があります”とかって、スタッフの方が指し示してくれるんですけど、いや、ゴジラは顔だけじゃないから(苦笑)。胴体も含めて全部がゴジラなんで、認識が難しいんですよね。視線の角度とか、ここに手があって、口のこの上に目があってとか、みんなで認識を共有して怖がる必要があるんですけど。自由に演技するための条件というか……そこはなかなか難しい点でしたね」

  それにしても、とにもかくにも5歳以来の再共演である。男の子・青木さんの心も動いたに違いない。

 「そうですね。実際におもちゃで遊んでいましたから。まあ、メカゴジラに浮気していた時期もありましたけど(笑)」

――そうなんですね(笑)。メカゴジラも人気がありましたし。

「あのフォルムとかメタリックな感じもかっこよかったんですよね。でもほんと、こうして呼んでいただいてありがたいです。なんだか感慨深いです」

 子どもの頃からのスーパースターとの「再共演」を、自らの力で引き寄せて見事に果たしただけに、感慨もひとしおに違いない。 

あおき・むねたか
1980年3月14日生まれ、大阪府出身。02年に映画デビュー。06年にNHKドラマ『繋がれた明日』で初主演を務め、翌年、連続テレビ小説『ちりとてちん』でヒロインの相手役を務めて広く認知されるようになった。10年には『龍馬伝』で大河ドラマ初出演。映画では、『るろうに剣心』シリーズの相楽左之助が高い支持を得た。ほか主な作品に大河ドラマ『平清盛』『西郷どん』『鎌倉殿の13人』、ドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』など。2023年11月公開の東宝ゴジラ70周年記念作『ゴジラ-1.0』では主人公の敷島が戦時中に出会う海軍航空隊の整備士・橘宗作を演じている。

●作品情報
映画『ゴジラ-1.0』
監督・脚本・VFX:山崎貴
音楽:佐藤直紀
出演:神木隆之介、浜辺美波山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆安藤サクラ佐々木蔵之介
(C) 2023 TOHO CO., LTD.
配給:東宝 
公開:11月3日(金)、全国東宝系
上映時間:125分