「天才になれなかった全ての人へ」というキャッチコピーで一躍話題となった漫画『左ききのエレン』。作者のかっぴー自身も「天才」を意識しながらもがいた過去がある。かっぴーさんが「ここから、人生が始まった」とまで話す、THE CHANGE、人生の転機とは――。【第4回/全5回】
武蔵野美術大学を卒業して、広告代理店に入社したかっぴーさん。進学する大学を選ぶときにもっとも意識したのは、「どうしたら、その後の人生失敗しないか」だったという。
「僕は英語しかできなくて、そこから死にものぐるいで受験勉強して一般的な4年制大学に行ったとしても、トップ大学を卒業した人と同じ年収になれるのか? と考えました。そのタイミングで、多摩美術大学と武蔵野美術大学は、慶應義塾大学や早稲田大学にたとえられる、と言われていることを知りまして。私大トップの人たちに追いつくなら僕の人生におけるカードはこれだ! と思い至り、美大受験を本格的に決めたんです」
ーー高校生でそんなに将来を見据えて考えることができるなんて、すごいですね。
「だからもう、“どうしたら人生失敗しないか”をずっと考えているだけなんですよ」