「がんばり方がわかった」『左ききのエレン』で得た成功体験
ーー「努力は裏切らない」などの格言がよくありますよね。
「ですよね。今世界で活躍しているアスリートを指して“だから努力は大事なんだよ”と言われる風潮もある。でもみんなすでに子どもの頃から努力していると思うんです。が、その努力がハマっていないんですよ。自転車が漕げていない、ペダルの重さを感じ取れない、空回っている状態が、会社員時代の僕にはありました」
ーー空回っている状態のときは、どんな心境なんでしょう。
「このペースじゃ、憧れているクリエイターには一生追いつけないんだろうな、という失意ですね」
ペダルの重さを実感できたのは、『左ききのエレン』を描きはじめたころのことだった。かっぴーさんは実感を込めて、こう言った。
「そのときにがんばり方がわかったんです。がんばり方がわかった瞬間が、僕の人生が始まった瞬間かもしれないですね」
かっぴーさんの人生がガラリとCHANGEした瞬間である。
■かっぴー
1985年、神奈川県生まれ。漫画家。漫画原作者。株式会社なつやすみ代表。武蔵野美術大学を卒業後、大手広告代理店・東急エージェンシーにてアートディレクターとして勤務。Web制作会社のプランナーに転職後、趣味で書いた漫画『フェイスブックポリス』がSNSで拡散され話題に。2016年に漫画家として独立。リメイク版『左ききのエレン』(『少年ジャンプ+』)、『アントレース』(『ジャンプスクエア』)、『15分の少女たちーアイドルのつくりかたー』(『ビッグコミックスピリッツ』)、『晴天のデルタブイ』(『LINEマンガ』・『eBookJapaN』)の原作を担当。現在は『note』で『左ききのエレンDOPE』、『WEB UOMO』で『柳さん ごはんですよ』を連載中。また、複数の新連載漫画と原作版『左ききのエレン』のアニメ化も控えている。