初舞台は小学4年生。俳優・小関裕太の活躍は、ミュージカル、舞台、ドラマ、映画、MCと幅広い。28歳となった現在、その言葉は豊かで彩りに満ちているが、実は「話すのが下手で苦手だった」という。小関さんにとってのTHE CHANGEとはなんだったのかーー。【第5回/全5回】

小関裕太 撮影/冨田望

ーー小関さんにとってのTHE CHANGEというと、どういうものがパッと出てきますか?

「たくさんあるんですけど、いちばん最初の衝撃的な出会いは、中学2年生のときの歴史の授業でした。村上先生という名前で、社会科全般を教えてくれていました。どの授業も面白かったんですけど、僕、それまで社会科が本当に苦手だったんです。特に歴史が大嫌い。

 一番好きなのは音楽と英語と算数、一番嫌いなのが社会科だったんですが、中1のときも頑張れたのはアウストラロピテクスとか、弥生時代まで。古墳時代以降は無理だったんです。年数も覚えられないし、なんとか石器とか分かんないやと思いながら勉強してました。

 そんな中学2年生のときに出会った、村上先生の授業は、当時の人の目線で教えてくれる授業だったんです。俳優を目指していた僕に合ってた、というのもあるかもしれないですね。

 たとえば、1853年にペリーが来航したとき、日本人の衝撃ってすごかったんだよ、という話を当時の人の立場で話してくれるんです。

 いま残っているペリーの肖像画っていうのは、当時の人が描いたもので、いくつかあるけど、全部共通して怖いでしょ。本当に背がでかくて、眉毛にシワを寄せていて恐ろしい。そんな人たちがでかい艦隊で来たんだよ、と。そんなもの見たことがなかった、貿易も遮断していた彼らには存在がいかに恐ろしかったかと話してくれる。その話を聞いた上でこの絵を見てみるとしっくりくるんですよ。当時の人にとっては本当に衝撃的な出来事だったんだ、と僕は物語のように先生の話にのめり込んだんです。

 そこで、歴史とか社会ってこういう面白さがあるんだ、と気づきました」