2005年放送のNHK連続テレビ小説『風のハルカ』で2005人の中からヒロインに抜擢された村川絵梨。以来、さまざまなドラマや映画、舞台で存在感を発揮してきた。2023年には“振り切った”役で話題になった村川さんの道程にあったTHE CHANGEとは。【第3回/全5回】

村川絵梨 撮影/三浦龍司

「これまで、ターニングポイントはいくつかありました」

 そう話すのは、女優の村川絵梨さん。10代でNHK連続テレビ小説『風のハルカ』のヒロインを務め、20代ではドラマ『ROOKIES』(TBS系)で主人公の幼馴染であるヒロインを好演。撮影担当したカメラマンは「ドンピシャ世代なんです!」と、主人公とのもどかしくもみずみずしい関係性を思い出し、胸をときめかせる。

「世の中が“ROOKIES現象”みたいになっていくのを、現場にいても感じていました。今でも“ROOKIESのマネージャー”と言われることがありますが、そういう作品って、出会いたいと思ってもなかなか出会えないので、ターニングポイントだったなあと思います」

 印象的だったのが「卒業式に出られたこと!」だそう。

「通信制の高校に通っていて、卒業式は仕事で出られなかったんです。『ROOKIES』のときはもう20歳を過ぎていましたが、制服を着てちゃんと卒業式に出て、“卒業できた!”という気持ちになったんです。中学時代も、ダンスを習ったりして学校外の活動が多くて、常に学生生活へのあこがれがあったんですよね。だからここで、“青春”を追体験できてよかった」

 そして、30歳を目前に控えた2016年、映画『花芯』に出会った。

ーー瀬戸内寂聴さんが、瀬戸内晴美時代に書いた同名小説を映画化した作品で、村川さんはそれまでの印象をガラリと変えたと思います。

「そうですね。私自身もターニングポイントだと思っています。なかなかできない主演をやらせていただき、ああいったチャレンジができたことで、自分自身と向き合うことができました。ここから、自分の殻が破れた感覚がありますね」