2023年下半期、連続テレビ小説ブギウギ』に、ピアニスト・股野義夫として出演し、お茶の間に感動を届けた俳優・森永悠希。96年に生まれた彼のキャリアはかなり長く、子役時代を含めて20年以上演技の世界で活躍している。まだまだ今後が期待される森永悠希の「THE CHANGE」とは――。

森永悠希 撮影/三浦龍司

 森永悠希(27)の出演作は数多い。16年の映画『ちはやふる』や20年のNetflix『今際の国のアリス』をはじめとして、20代ながら数十作も映像作品に出演し、経験も豊富だ。

 そんな森永さんに大きな転機についてたずねると「それこそ本当に最近ですが、舞台に久しぶりに出演して、けっこう変わりました」と切り出す。

「たとえば劇中で起こることや、本番中に起こるハプニングに対しての対処を学んだり、今まで散々いろんなことにビビってきたのに“自分って意外とこんなにビビらないんだ”という発見がありました。“あ、意外とこれ大丈夫なんだ”というのが、より細分化して分かりました」

 23年の10月から11月にかけて森永さんは音楽劇『浅草キッド』に、井上という役で出演。主演の林遣都(32)がビートたけし山本耕史(47)がたけしの師匠で伝説の浅草芸人・深見千三郎を演じた作品だ。

――どういったことが本番中に印象的だったのか教えてください。

「毎回、あえて決めていない、アドリブポイントみたいなシーンがあるんですよ。そのシーンで、“あ、そこから飛んでくるんだ”っていう、予想外のフリが他の共演者からあったりして。自分がそのシーンに参加している以上は、そのフリに何かを返さないといけないわけじゃないですか。

 予想外のものがあったときに、それでも対応できている自分がいる、という発見がありました。もちろん袖にはけてから、“こう言えばよかったな”と反省するんですけど、その場で起こったことに対しては切り替える自分がいるというか。失敗したとしても後を引かないんだな、と思いましたね」