高円寺芸人の「ルール」とは?

――ルームシェアの「ルール」ってありましたか?

児玉 「後輩の向井の家賃が10万円で、僕が5万円だったので、掃除や洗濯は担当していたんです。後輩のパンツを洗ってました(笑)」

――すでに向井さんも売れていたんですね。

児玉 「めちゃくちゃ忙しそうでした。又吉さんも芥川賞を獲った時期で、二人ともガムシャラに働いて帰宅したらリビングで、“あぁ、しんどい”とため息を漏らしていたんです。で、次の日は朝5時に家を出る。そんな生活を見て“売れるより楽しくやっていたい”と思ってました(笑)」

―― 赤羽さんはパンサー尾形さんにお世話になっていたそうですが。

赤羽 「尾形さん、マジカルラブリーの村上、空気階段鈴木もぐらといった高円寺芸人とのつながりは深いです。キングオブコント2021で空気階段が優勝した時、高円寺純情商店街のアーチに祝福の横断幕が設置されて。今年優勝した僕らも期待していたら、『サルゴリラおめでとう!』と書かれた横断幕がかかったんです。母ちゃんが伝手を辿って横断幕を作った人を探したら、僕らの同級生で」

児玉 「誰?」

赤羽 「みのるとかたかしとか、若駒連の人たち」

児玉 「え~!」

―― 高円寺芸人の「ルール」はありますか?

児玉 「売れるまでは高円寺にこだわるけど、お金を持ったらシレッと出ていく(笑)。ニューヨーク嶋佐や村上のように」

赤羽 「村上はいい物件がなかっただけで、いまも毎日のように高円寺にいるから。まぁ、嶋佐は高円寺を捨てたね。だけど、僕は絶対に高円寺を離れません!」

赤羽健壱(あかば・けんいち)。1979年4月6日生まれ、東京都出身。
児玉智洋(こだま・ともひろ)。1979年11月14日生まれ、東京都出身。
03年、9期生としてNSC東京校に入り、滝野元気とガッチャを結成。その後、赤羽と児玉はガッチャを脱退。06年に松橋周太呂とジューシーズを結成。15年12月、ジューシーズを解散し、赤羽と児玉でサルゴリラを結成。キングオブコント2023優勝。