「そういう場所に来た」という感覚
眞島「ふだんからいろいろな撮影現場に行きますけど、杉田監督の現場は、ほかで味わうのとはまったく違う雰囲気でしたね。極端なことを言うと、いつ、撮影が始まったのかな、という感じです。よく監督の“よーい、スタート!”というかけ声で始まるんですけど、それがあんまり記憶にないんですよ。いえ、言っていたと思うんですけど。あまり大きい声を出す方じゃないっていうのもあって、“はい”って感じで始まっていたりとか」
『彼方のうた』は、主役が小川あんさんで、眞嶋さんと中村優子さんがメイン。ほかの出演者には、一般の方を多く使っている。そのへんの事情もあったようだ。
眞島「ふだんは芝居をしていない方に、たくさん協力していただいたんで、その方たちにまったく緊張感を与えない感じでした。ふだん、生活している、人と話しているときのような感じで。その延長線上で、いつの間にか撮影して終わっているというような、なんとも言えない、不思議な現場でした」
演じる側としては、やりやすかったのだろうか?
眞島「素直に空気感に入っていったので、やりやすいとかやりにくいとか、そういった言葉ではあらわせないですね。そういう場所に来ました、という感じでした」