主役から脇役、サラリーマンから戦国武将まで、その幅広い演技で近年の映画・ドラマに欠かせない俳優である眞島秀和。切れ目なく作品に出演し続け、数々の撮影現場を経験してきた名バイプレイヤーは、47歳の今、どんな「CHANGE」を迎えているのか?【第2回/全4回】

眞島秀和 撮影/三浦龍司

不思議な時間が流れている『彼方のうた』

 映画からドラマ、舞台に至るまで数多くの作品に出演し続けている眞島秀和さんの最新出演映画が、『彼方のうた』だ。監督の杉田協士さんは、前作の『春原さんのうた』がマルセイユ国際映画祭でグランプリ、俳優賞、観客賞を獲得し、独特な映像表現が高い評価を得ている。まずは作品についての感想を聞いてみた。

眞島「前作の『春原さんのうた』の続きとは聞いていて、台本を読んだときから思いましたが、杉田監督らしい不思議な時間が流れている映画になったと思いましたね。難解な部分はあると思うんですが、本当に杉田監督らしい。こう、人に寄り添うような、優しさに、人間愛にあふれているような作品だな、というのは、完成品を見てもそのまま思いました」

――実際に見て、印象的だったシーンは?

眞島「主役の女性(春/演・小川あん)が、ただただ、歩道に立っているところが印象に残っていますね。カメラの前を人が通っても、ずっと立ち続けているという」

 キャリアの長い眞島さんにとっても、かなり印象深い作品となった『彼方のうた』。撮影方法も、また独特だったようだ。