野球の知識が乏しい一般視聴者にも分かりやすい言葉で話してくれるためか、ワイドショーで姿を見かけることが多い五十嵐亮太さん(44)。その分かりやすさは、長いプロ生活で培われたものであることは間違いないだろう。NPBからMLBへ、そしてNPBと、23年にわたるキャリアの中で経験した「CHANGE」を聞いてみた。【第2回/全5回】
ダルビッシュ有が与えた影響
2023年の日本野球界で一番の話題といえば、侍ジャパンの23WBC優勝だろう。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(29)や東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手(23)などのスター選手をそろえたチームは、決勝でアメリカチームとドラマチックな戦いを繰り広げ、3大会ぶりに王座に。多くの人の感動を呼び、スポーツ番組のみならず、ワイドショーなどでも連日、大きく取り上げられた。野球ファンだけでなく、幅広い人々を熱くした侍ジャパンとは、どんなチームだったのだろう。
「選手個々の能力が高いというのはもちろんあるんですけど、チームのまとまりがすごくいいというのが、特徴的でしたね。栗山英樹監督(62)やコーチ陣の力もあるんですけど、選手が意識的に作っていった部分も大きいと思います。特に第1次ラウンドの試合で、ダルビッシュ有投手(37)がチームに与えた影響は大きいと思います」
ダルビッシュ投手は1次ラウンドの韓国戦で先発。3回3失点でマウンドを降りるも、その後、打線が爆発し、最終的に13対4で勝利した。このときのダルビッシュ投手について栗山監督は「あのダルビッシュさんでも点を取られることがあるんだと、若い人がもっと思い切っていける空気になったことは事実」とコメントしている。
「WBCとなるとすごい試合になるんだけど、選手がリラックスして挑めるような状況を作ったと思うんです。勝つことにプラス、野球を楽しむこと。この両立は今までの侍ジャパンにはなかったのかなと感じました」