■映画『さよなら ほやマン』出演から朝ドラ『ブギウギ』に!

 そこからVFXに開眼。映画制作側を目指して勉強していた黒崎さんだったが、縁あってこうして役者に。朝ドラ『ブギウギ』で俳優デビューしたのは知られるところだが、プロとしての芝居自体はそれより前に、2023年11月に公開された映画『さよなら ほやマン』で挑戦している。今作でも、黒崎さんは長編デビュー作とは思えない演技を披露しているが、奇しくもこちらの作品も本編途中で坊主になるシーンがある。

 すると、黒崎さんから『ブギウギ』書類審査通過への重要証言が。

「『さよなら ほやマン』で坊主になってなかったら、『ブギウギ』の書類審査に受かってなかったと思うんです。ちょうどタイミング的に『ほやマン』のシゲル役で坊主になっていたので、坊主写真の資料を撮ってそれを送ったんです。そしたらたまたま六郎も坊主になる役で。いや、わかんないですよ。でも目には留まりやすいですよね。だから、関係なくはないと思います」

 そう語る黒崎さん。実際の六郎役オーディションでは、映画について熱っぽく語る黒崎さんの人柄や、台本を読んだ際の演技力、そして黒崎さんの原石としての魅力が見抜かれたに違いないが、坊主頭が目に留まるのも事実ではある。そしてそんな運もまた実力のうちだ。

――ところで『ブギウギ』の六郎くんは亀好きな心優しい青年でしたが、黒崎さんはどんな動物、生き物が好きですか?

「私は……、ゴリラですかね」

――ゴリラ!? 理由も教えてください。

「え? かっこいいですよね。ゴリラ。あんなにゴツイ体してゴツイ顔してるのに、自分の子どもを抱くときに、すっごく優しく抱くじゃないですか。あれがカッコいいなって。憧れるんですよね。力強さと優しさの両方があって。イカツイ顔のゴリラに、カッコよさと優しさと包容力を感じます」

 そう言って「記事のタイトルに“ゴリラになりたい俳優”ってどうですかね」と真面目な顔で提案してくれた黒崎さん。落ち着いた話しぶりの中に、ふと愛らしさも覗くのがまた魅力的だ。

黒崎煌代(くろさき・こうだい)
2002年4月19日生まれ、兵庫県出身。2022年にレプロエンタテインメントの30周年企画「主役オーディション」で約5000人の応募者の中から合格して芸能界する。翌年、連続テレビ小説『ブギウギ』にて俳優デビューを果たす。趣里演じる福来スズ子の弟・花田六郎を演じて一躍、高い評価と人気を得る。同年11月に公開された映画デビュー作『さよなら ほやマン』では主人公アキラ(MCアフロ)の弟シゲルを演じ、第78回毎日映画コンクール、スポニチグランプリ新人賞にノミネートされた。
ヘアメイク:親友江
スタイリスト:能城匠 

衣装:EYCK(エイク) [問] EYCK SHOP  info@eyck-tokyo.jp