「関西ならさんまさん、東京なら萩本欽一さん」

 90年代にはコンビを組んでいたほいさん。解散してピン芸人になったとき、「ギター漫談をやったり」迷走も経験したという。

「やっぱり、誰かとしゃべりたいなと思ったんです。そのときモノマネ関係なく、関西ならさんまさん、東京なら萩本欽一さんの存在が浮かびました。ふたりとも、誰とでも楽しく絡める人、ですよね。それでふたりを研究し始めると、実はふたりが似ていることに気づいて。さんまさんも欽ちゃんも、素人さんをやさしくイジっておもしろくするのが、すごく上手かった」

ーーたしかに、そうですね。

「僕もふたりのその技を盗もうと思って。ピンで営業に行くと、“誰かお手伝いしてくれる人〜!”と客席から相方を募るんです。このとき、一人で来ているお客さんは選ばず、ご家族や仲間内で来ている中でも、いちばん真面目そうな人を選ぶ」

ーーなぜでしょう。

「仲間は絶対に笑ってくれるから。ステージに上げて、その人を漫才に巻き込んでツッコんで。そうするとすごく盛り上がります」

 なにがきても怖いものなし。58歳でのブレイクには、確固たるバックボーンがあったのだ。

ほいけんた
1965年7月7日生まれ、東京都出身。高校2年生の頃にアクションチーム入りし、1983年に俳優デビュー。以降、お笑い芸人としてストリップ劇場やショーパブで修行、プリンセス・テンコーのアシスタントを経てマジシャンや大道芸人としても幅広く活動し芸を磨く。明石家さんまのモノマネで注目を浴び、本人役で再現ドラマに多数出演するようになる。2020年に歌うま芸人として認知を高め、2022年9月に出演した『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)をキッカケに大ブレイク。「カラダぐぅ」「くるっくー」などのフレーズは大バズリしている。