台本を覚える仕事は終わりにしようと考えているんです

 キャストもスタッフも長いつきあいだから楽しい現場だったんですけど、今回はさすがに台詞を覚えるのが大変だった。せっかく覚えても、本番になると出てこないんだよ。でもみんな優しいから「豪さん、大丈夫です。もう一回やりましょう」なんて言ってくれるんだけど、それがまたつらい。誰も「役者なんだから台詞くらいちゃんと覚えてこい!」とは言ってくれないので、自分で自分を叱りながらやりました。

 だからもう、台本を覚える仕事は終わりにしようと考えているんです。朗読劇とか、台本を見ながら演じることはまだできるから、体と相談しながら、そういう仕事をやっていけたらと思っていますね。

わかばやし・ごう
1939年9月5日生まれ。長崎県出身。1965年、劇団「新国劇」に入団し、島田正吾に師事。68年に『顎十郎捕物帳』(TBS系)でドラマデビューし、以降、多くのドラマ、映画、舞台で活躍。主な出演作はドラマ『Gメン』シリーズ、『十津川警部』シリーズ(TBS系)、『赤い霊柩車』シリーズ(フジテレビ系)、NHK大河ドラマ『徳川家康』『独眼竜政宗』『翔ぶが如く』、映画『七人の秘書 THE MOVIE』『仕掛人・藤枝梅安 第一作』など。