芸人・永野の異質さはよく知られるところだろう。「ラッセンが好き」で世に出て、テレビを席巻し、現在でもＹｏｕＴｕｂｅ、ラジオなど多方面で活躍している。繰り出される強烈なフレーズ、モノマネの意味を本当に理解できる人はどれだけいるのだろうか。それでも笑ってしまう。
かつて、朝の情報番組で俳優を本気でビンタして警察沙汰になり、テレビ局を出禁になったこともある。著書が２冊あり、音楽についての該博な知識と愛情、そして分析は驚くべき深さで読む人を圧倒する。「妻や子どもの写真をスマホの待ち受けにしてるやつといい仕事できないですよ」と語る永野の人生が変わった「ＴＨＥ ＣＨＡＮＧＥ」とはなんなのかーー。
「僕なんか、怖い見た目の人とかいろんなジャンルの人が、熱いメッセージとか言ってると、マジで思うのが“えー、俺より真面目じゃん”って。
ミュージシャンとか “辛い日があるけど、夢が追ってんだからやりたくねーこともやるんだ”とか言って。俺、今日からしたくねーすけど、どうすればいいですか、したくねーことせず、その栄光掴める方法ってないですか、みたいな」
永野さんは、俺はそういう人にすら劣等感あるんです、と笑ってみせた。
「今日のＴＨＥＣＨＡＮＧＥのお話にあたって、ラッセンで売れました、苦労したけど、ってお話しようと思ったんですけど、それはいわゆる定型じゃないですか。
あれは、本人が努力というか、一応考えるわけです、どうすればいいか。ポップって言うか気持ち悪い、でも……みたいなので行ったけど、たぶん、ラッセンはＴＨＥ ＣＨＡＮＧＥとしては、そうでもない話だな、と思ったんですよ。
仕事が一周したというか、落ちぶれるというか落ち着くじゃないですか。落ち着いた時にキープするのか。そもそも綱渡りのロープから降りるのか。そのとき、めんどくせえから、降りてみようかな、と思ったんです。
で、ポーンと落ちたら、気持ちよかったんですよ。ロープから落ちた時、ＴＨＥＣＨＡＮＧＥは、それだと思います」
