大きなことを言っているように聞こえますけど、僕は実現可能なことを言っている
それで準備のために、今年の6月にアメリカに行ったら、俳優と脚本家が一緒にやる58年ぶりのストライキにぶつかってしまって。どういう運命なんだよと(笑)。
でも、この計画は延期になっただけで、中止になったわけじゃない。だから、来年は一年の半分はアメリカに住んで撮影して、残りの半分は日本で他の仕事ができればなと考えているんです。
こんな話をすると、大きなことを言っているように聞こえますけど、僕は実現可能なことを言っていると思っています。だって、これまでも映画監督になりたいと思って芸人をやってきたし、小説が売れれば映画が撮れるだろうって思って、小説を書いてきたし。そうやって、順番に段階を踏んで、かなえてきたから。
今はまず、インディーズの映画を撮って、その次は30億ぐらいの映画を撮って、その次に100億の映画だよねって思っています。最初の作品が成功しないと、次にはつながらないから、そこは着実に。僕は、道筋を立てて、ひとつひとつを丁寧にやっていくことが大切だと思うんです。
それと、日本の出資だけの作品だと、世界のマーケットで売ってくれる人が味方にいないと意味がない。世界で勝負するためのプロデューサーたちと出会う……というところにも、やっと立てたと思うんです。これで、この先の展開も見えてきました。
なにも、いきなりマーベルの『アベンジャーズ』みたいな映画を撮りたいって言ってるんじゃないんです(笑)。着実に、頑張ります!
しながわ・ひろし
1972年生まれ、東京都出身。1995年、東京NSCの1期生で同期の庄司智春とともにお笑いコンビ「品川庄司」を結成。お笑い芸人、タレントとして「品川祐」名義で活動する一方で作家、映画監督のときは「品川ヒロシ」として活動。2008年に自身の自伝的小説を原作にした映画『ドロップ』で長編映画デビュー。主な映画監督作品に『漫才ギャング』(2011年)、『サンブンノイチ』(2014年)、『Zアイランド』(2015年)、『リスタート』(2021年)などがある。
映画『OUT』
暴走族「東京狛江愚連隊」の特攻隊長として“狛江の狂犬”と恐れられていた伝説の超不良・井口達也が少年院を出所。地元から遠く離れた西千葉の焼肉屋『三塁』で働き、新たな生活を送ることになるが、千葉の暴走族「斬人(キリヒト)」の副総長・安倍要との出会いが達也の人生を大きく変えることになる。
監督・脚本:品川ヒロシ
出演:倉悠貴、醍醐虎汰朗、与田祐希(乃木坂46)、水上恒司/渡辺満里奈、杉本哲太
配給:KADOKAWA
©2023『OUT』製作委員会