野球の知識が乏しい一般視聴者にもわかりやすい言葉で話してくれるためか、ワイドショーでも姿を見かけることが多い五十嵐亮太さん(44)。そのわかりやすさは、長いプロ生活で培われたものであることは間違いないだろう。NPBからMLBへ、そしてNPBと、23年にわたるキャリアの中で経験した「CHANGE」を聞いてみた。【第5回/全5回】

五十嵐亮太 撮影/有坂政晴

不安だらけだった引退直後

 2020年に現役を引退して解説者となった五十嵐亮太さん(44)。素人にもわかりやすく熱の入った解説は好評で、スポーツ番組だけでなくワイドショーなど一般向けのテレビ番組で、よく姿を見かける。今回はグラウンドを離れたところ、私生活における「CHANGE」を聞いてみたのだが……。

「私生活……難しいですね。子どもが生まれたときですかね。でも、子どもが生まれてなにが変わったのよって、妻にいわれちゃうかもしれない。(笑)そう考えると、私生活の転機は、やっぱり野球をやめたときですかね」

 微妙に私生活とは違うかもしれないが、やはり五十嵐さんの中で野球が占める割合というのは、それほど大きいのだろう。

「やっぱり不安のほうが大きかったですよね。仕事がなかったらどうしようとか。家族のほうが不安だったと思いますけど、解説だけで生活していくのって、難しいだろうなと思いましたし。

 ただ、なにもやらないのもつまらないし、ずっと仕事をしないというのは、僕の中では絶対に考えられませんでしたし。仕事は嫌いじゃないですから、なにか自分が楽しいなって思えるものに出会えたらなと考えていました」