デビュー4年目でNHK朝ドラヒロインとなった芳根京子。以来、CM、映画、ドラマで活躍し、2023年には10周年を迎えた。「現場にいる時間も長くなり、自分が何をすればいいのか」を強く考えるようになったという芳根さんのTHE CHANGEとはーー。【第3回/全4回】

芳根京子 撮影/有坂政晴

 芳根京子さんが中学校の合唱部副顧問を演じる映画『カラオケ行こ!』は、同名の漫画が原作。『苦役列車』『オーバー・フェンス』の山下敦弘監督がメガホンを取り、人気脚本家の野木亜紀子さんが脚本を担当。芳根さんは、山下監督と野木さんと連続ドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京)でも組んでいる。

「『カラオケ行こ!』のお話をいただいたとき、山下監督で野木さんの脚本ですと言われて、“え! そんなの、もう楽しさしかないじゃん!”と。参加するしか選択肢はないと思いました。そこから先生役だと聞いて、“ついに私もそういう年齢か”と」

芳根京子 撮影/有坂政晴

 ――なにか感慨深いものはありましたか?

 「いろんな役を演じるうちに新人社員の役をやるようになって、“あー、私も大人になったんだな”と思ったりして、そこから社会人の役が増えて。今回、副顧問役ということで、さらにひとつ階段を上った感じがしました。ただ、先生ということですが、今回の役柄に関しては、“脳内お花畑”と言われるような先生だったので、逆に何も考えないようにした感じでしたが(笑)」

 ――原作にはない役柄です。そういった意味でのプレッシャーはありましたか?

 「そこは確かにありましたね。やっぱり作品の色は壊しちゃいけないし、参加させてもらうという責任があるので、その緊張感はもちろんあります。ただ今回は山下さんと野木さんというすごく安心な部分がまずあって、おふたりとも私のことを知ってくださっているので、純粋に楽しく飛び込ませてもらおうと思いました」

――森本先生は、芳根さんが演じるという前提で書かれた役柄なのでしょうか。

 「私がやるということになって役を広げたというお話はしてくださっていました。それも野木さんが私のことを分かってくださっているからだと思いますし、“原作にない役がいるじゃん”と思われる方がいたとしても、安心して観に来ていただいて大丈夫だと思います」