デビュー4年目でNHK朝ドラヒロインとなった芳根京子。以来、CM、映画、ドラマで活躍し、2023年には10周年を迎えた。「現場にいる時間も長くなり、自分が何をすればいいのか」を強く考えるようになったという芳根さんのTHE CHANGEとはーー。【第4回/全4回】

芳根京子 撮影/有坂政晴

 俳優たちは、役を生きる人物にしていくために、さまざまな役作りをしていく。役にもよるだろうが、芳根京子さんは、役を演じる際、自分との共通点を探るタイプなのだろうか。それともゼロベースから作り上げていくのだろうか。

 「あまり自分に寄せるということは考えていないですね。まず脚本を読んで、この言葉を発するのはどういうキャラクターなら成立するだろうかというところから考えます」

――演じてみた後になって、「こういうところが自分に近いな」と感じたりすることはあるのでしょうか。

 「すべての撮影が終わってからですね。こうした取材などで聞かれることで、改めて考えてみて“そういえば”という感じです。なので、それまでは演じる役と自分の“どこが似ているかな?”といったことは考えないです。寄せるも寄ってくるもないというか」

芳根京子 撮影/有坂政晴

 ――それは演技を始めた当初からですか?

 「最初は自分に寄せていたこともあったと思います。でもそれだけではどうしようもない役がきっと増えてきたんじゃないかなと。だから自然と自分に寄せるといった方向ではなくなっていったんじゃないかと思います。

 はっきり意識しているわけではないですけれど、そうはいっても演じているのは私なので、ふいに私自身に刺さる瞬間というのはやっぱりあります」

 ――ふいに刺さる?

 「脚本を読んでいたときには、こんなにも心が震えると思っていなかった、泣くとは思っていなかったといった場面で心を動かされたり。それは、やっぱりそのキャラクターだからということもありますけど、私が演じているから刺さったという部分もあるのだろうと感じます。自分自身の感情がグサッと動くことがあるので」