90年代には苦悩する若者を演じ国民的人気を博し、同時に深夜のフジテレビで麻雀を打つ姿を見せるようになると、現在まで俳優とプロ雀士という二足のわらじで活躍する萩原聖人。演技も対局中でも、あふれる人間味が魅力の萩原にとってのTHE CHANGEとは。【第2回/全5回】

萩原聖人 撮影/冨田望

 1994年、『若者のすべて』(フジテレビ系)の主演を務め、人気を博した萩原聖人さん。20代の頃は「周りに負荷ばかりかけてきました」と話す。

「やんちゃだったと周りからは言われますし、たしかにそうだったかもしれないですけど、そこには常に理由がありました。自分を省みたときに、“言わなきゃよかったな”とか、“やんなきゃよかったな”みたいなことはもちろんあるけど、結果的にそれが相手に負荷をかけていたとしても、後悔していないものもいっぱいある。

 あのときだからできたことや、すぐに行動に移せたことは、たくさんありましたね。いいこともあったし、悪いこともあった。いまは歳をとって鈍ってきたのか、一旦落ち着いて考えるようになったのかわからないですけど、瞬発力がない分落ち着いているともとれるし、つまんねえなともとれる」

ーーつまらない、というのは? 

「攻撃的でアグレッシブで、貪欲で、それが前向きに作用することもあれば、相手に負荷をかけてしまうこともあって。若いときはそういうことがあったけど、いまはそうじゃないから、つまらない、ということです。

 たとえばこういう取材にしても、瞬発力があると“CHANGEなんてわかんないよ、そんなの!”とバンッと言える。そこにおもしろさもあれば、でもそれを言っちゃうと身も蓋もないからなあ、とか。それに周りにストレスをかけてしまうし。だからどうやって自分の中から絞り出した言葉を紡いで伝えようかな、と。それでCHANGEを考えても、“あの出来事で変われた”と思いきや、その出来事がなくても変わっていたかもしれないし。人生のIFって、わからないですよね」