人生を豊かにしてくれた人は著名人以外にいっぱいいる
ーーいま「この人と出会えてよかった」と思い浮かぶ人はいますか?
「たくさんいます!そんな人しかいない。もちろんそちらが聞きたいのは、“この監督との出会いが〜”とか、“この俳優さんと出会ったことで〜”とか、そんな感じの事を聞きたいんだと思いますが、僕の人生ってそういうのじゃなくて。たまたま飲み屋で出会ったおっちゃんとか、雀荘で知り合った人とか、そういう人も全部含まれるので、“誰?”と言われても困るんですよね。
それに、具体名をあげるとその人が特別になってしまうから。そんな単純なものではないから。だからもう、出会ったすべての人、ですよ。ごめんなさい、聞きたい答えと逆張りしていきます」
ーーむしろ飲み屋のおじさんの話が聞きたいです。
「そういうおっちゃん、たくさんいないですか? やっぱり著名な人の名前のほうが記事にはなると思いますが、そんなことは全然関係なく、僕の人生を豊かにしてくれた人は著名人以外にいっぱいいるんです。それにそういう人は、しょっちゅう会うかどうかは関係ないんですよね。むしろ“親友です”なんて、そんなことおこがましくて言えないくらいですし。
僕は現状に満足しているということはないから、もっともっと、自分が豊かになるように変わっていきたいと日々思うし、そのためには出会いが必要だなと思うし、出会った以上は再会しなければ意味がないな、といつも思っているんです」
ーー出会うだけで終わりにせず、再会する。とてもすてきですね!
「僕の座右の銘みたいなものでもあるのですが、出会いよりも再会のほうが大事だなと思っています。出会いって、そんなに難しくないんですよ。再会するほうが難しくて。再会できなかったら、たとえいい出会いだとしても意味がないかもしれないし、たとえ悪い出会いだったとしても、再会したときに仲良くなったり印象が変わることがあるから」
「そういうのが好き、なんですよね」と、萩原さんは噛みしめるように話すのだった。
■萩原聖人(はぎわら・まさと)
1987年に俳優デビュー。90年、テレビドラマ『はいすくーる落書2』(TBS)で注目を集め、93年、『学校』(山田洋次監督)、『教祖誕生』(天間敏宏監督)、『月はどっちに出ている』(崔洋一監督)で日本アカデミー賞優秀新人俳優賞と話題賞(俳優部門)、95年、『マークスの山』(崔洋一監督)、97年には『CURE』(黒沢清監督)で同賞優秀助演男優賞ほか数々の賞を受賞。以降もドラマ、映画、舞台、ナレーションなど幅広く活躍している。2024年1月11日より「牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者」(TOKYO MX・BS日テレ)、1月21日より「厨房のありす」(日本テレビ)の放送を控える。
特撮ドラマ『牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者』
原作:雨宮慶太
監督:松⽥康洋、⽥中佑和、⽊村好克
アクション監督;鈴村正樹
脚本:兒玉宣勝、吉﨑崇⼆
出演:栗山航、仲野温、中澤実子、黒谷友香、萩原聖人
放送期間:2024年1月~3月
放送局:TOKYO MX、BS日テレ
製作/制作:東北新社