90年代、苦悩する若者を演じ、国民的な人気を博すと、一方で、深夜のフジテレビで真剣に麻雀を打つ背中を披露。現在まで、俳優とプロ雀士という“2つの顔”を持つ萩原萩原聖人。演技でも対局中でも、人間味があふれる萩原さんのTHE CHANGEとは――。【第5回/全5回】

萩原聖人 撮影/冨田望

 俳優として誰もが知る出世作を持ち、プロ雀士として麻雀を愛する萩原さん。多くの転機がありそうな、これまでの52年間だが、改めて「萩原さんにとってのTHE CHANGEはなんでしょう」と聞くと、「……わからない」と、率直に話す。

「取材前にマネージャーから“こういうことを聞かれるから”と言われて考えたんですよ。でも、わからない」

ーーわからないというのは、思い浮かばない、ということですか?

「いや、転機って、何度かあるじゃないですか。わかりやすいところだと、“役者になりたい”と志した瞬間は必ずある。それが一番キャッチーかもしれない。ですが、もっと前に、その原点があったかもしれないですよね。
 そうそう、小学生のとき、僕はひどいアトピーで、自分に自信がなくて外で遊ぶことがすごく嫌いだったんです。ある時期、ある先生と出会った……ということは、あまり言いたくないんだけど、外でかけっこをして“俺、足早いんじゃん”というのを気づかせてくれた先生がいて。それから前向きな小学生になったという時期がありました」

ーーそれも大きな転機ですね。

「そのあとに中学生になっても何かあるし、どれが自分にとって一番、重要だったのか、よくわからないんですよ。全部つながっていますしね」

ーーでは、大人になってからのCHANGEはありますか?

「そうですね、たくさん経験を積むということは、たぶん、知恵をつけるということなんですよね。つまり、その経験が人を変えるきっかけになる……というより、経験したことで知恵がつくから、ちょっと変わる……のではないかな」