芸歴20年を超えたラバーガールが、コロナ禍にTikTokのネタ動画がブレイク。さらに、YouTubeチャンネルの時事ネタコントが話題を呼んでいる。「いぶし銀芸人の仲間入りか?」と思われたコント師が突然の狂い咲き。ラバーガールのTHE CHANGEとは? その真相に迫った――。【第3回/全3回】

ラバーガール

 「『エンタの神様』に出ていた頃より、いまのほうが知名度は高いと思います」(飛永)という言葉の通り、ラバーガールといえば、いまやYouTubeやTikTokが大人気。そこから本ネタに誘導したいという意図はないが、「単独ライブが即完しましたし、客層が入れ替わっているようにも感じて、結果的に導入になっているのかなと思います」(大水)と語る。

――『キングオブコント』は去年から参加していませんが、「自分たちより若い世代が出る大会」という想いからですか?

大水 何年も前から予選会場で「求められていない空気」を感じていたんです。お笑いファンはもっと新鮮な芸人を見たいし、決勝に上がってほしいと思っているんじゃないかって。そもそも僕たちは戦うことが好きじゃないので、その感情を押し込めてまで出場するモチベーションがなかったんです。

飛永 僕たちが戦わないことに注目してもらえたらいいなとは思ってます(笑)。

大水 戦って勝つためには派手な音響や照明が必要で、声も大きくなきゃいけない。近年の賞レースの流れに、僕らの芸風はまったく向いていないんです――営業では、お客さんから「見たいネタ」を募って披露しているとか。

大水 すぐにできるネタが30くらいあるんです。

飛永 本番前に「リクエストされるかも」と練習して、結局はやらないこともあります(笑)。

――漫才師だとよく聞きますが、コントだと珍しいのかなと思います。

飛永 コントだと他にできる芸人は少ないかもしれません。二人でネタを作っているのと、セリフで笑わせるネタではないので間違えても気づかれないんです。めんどくさがりで、なるべく道具を使わないネタを作っていることも大きいと思います。地方営業に道具をいくつも持って移動していると、先輩のザキヤマ(山崎弘也)さんたちに「そんなにたくさん持って行くの⁉」とイジられるんです。人力舎の先輩方は肩の力を抜いて、自然体で営業に出ていましたから。