大きな励みなったあるアニメの存在
生のファンの言葉に支えられた以外でも、励ましてくれたものがあったという。それはアニメの『ラブライブ!』だった。『ラブライブ!』は廃校寸前の母校を救うために結成された9人のスクールアイドルグループ「μ’s(ミューズ)」の成長を描いた物語だ。
「『ラブライブ!』を見ていると。アイドルをやりたいって気持ちになるんですね。仕事で疲れた時に見ると“アイドル、最高!”って気持ちにさせてくれるんですよ。だから、『ラブライブ!』は自分の中では糧でもありましたし、μ’sは大きな励みにもなりましたね」。
12年2月に乃木坂46のメンバーとしてシングル「ぐるぐるカーテン」でデビューした松村さんは、21年7月に同グループを卒業、その後もそのまま芸能活動は続けていた。そんな中で、昨年、大きな転機を迎えた。
「昨年(23年)に事務所を移籍したんですよね。それは自分の中では大きかったかな。グループ卒業というのは、感覚としては皆さんにとっては大きかったのかもしれませんけど、自分の中では、そんなに何かが変わったという感じではなかったんですね。
単純に言うと、グループでいることでなくなった……ぐらいだったんです。在籍中にも個人で、ドラマや映画の仕事もさせて貰っていましたし。卒業後は楽屋に戻った時に一人が淋しいな……ぐらいだったんですけど、やっぱり事務所を移籍してからは自分の中でも変わったって思うことはありますね」
──“変わった”というのは?
「それこそ前はグループは卒業したんですけど、事務所は変わらずだったので、そんなに周りにいる人は変わらないし、やっていたお仕事もそんなに変わらなかったんです。握手会が無くなったことをはじめ、無くなったことはいっぱいあるんですけど、じゃあ増えたものがいっぱいあったかと言われるとあんまりなかったし。
自分の中でもアイドル時代に何かを自分で作ってやっていたという感覚が無かったんですね。感覚としては”ありのままの私”で、ずっと「乃木坂」でも活動していたってところなんですよね。グループを卒業したけど、そこで自分の人生が終ったというわけではないなっていうのは感覚として私の中にあり続けているんですよね」
乃木坂46からの卒業は松村さんにとって、ひとつの通過点に過ぎなかったようだ。
松村沙友理(まつむら・さゆり)
1992年8月27日、大阪府生まれ。B型。2011年にアイドルグループ「乃木坂46」の第一期生としてデビュー。2021年の卒業まで、アイドルとして活躍しながら、モデル、俳優としても活躍。近作としてはドラマ『推しが武道館行ってくれたら死ぬ』、『ショジョ恋』や映画『ずっと独身でいるつもり?』、『劇場版 推しが武道館行ってくれたら死ぬ』など。現在放映中のドラマ『極限夫婦』の第一話では主演を務めた。
■『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・班目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』
2月13日(金)より東京・新宿バルト9 ほか全国ロードショー
配給:アイエスフィールド
監督:光岡 麦
出演:劇団ひとり 剛力彩芽 木村了 犬養貴史 文音 北原里英 松村沙友理 堀田眞三 八嶋智人 高橋克典
『一夜のうちに3人の生贄の血を滴らせると死者が蘇る』という不気味な伝承が残る鬼灯村。その伝承を元に執り行われていた「三つ首祭り」の夜に村の長を務める一条寺家の当主が殺される。事件の真相に迫るべく、登場人物を演じるキャストのアドリブ推理で事件の真相に迫る新感覚ミステリームービー。