俳優・橋本愛。14歳のときの映画『告白』で注目され、17歳でのNHK朝ドラ『あまちゃん』で誰もが知る存在となった。以来、現在までキャリアを重ねてきた橋本さんだが、大きく悩んだ時期があったという。そのTHE CHANGEとはーー。【第4回/全4回】

橋本愛 撮影/有坂政晴

「いつも家でノートや脚本に書きながら、役への“詰め作業”をしています」

 橋本さんに、いわゆる俳優の役作りについて聞くと、こんな返事が返ってきた。

 役に入っていく際の“詰め作業”とはどのようなものなのだろうか。最新の映画『熱のあとに』で、ホスト殺人未遂事件を起こした過去のある主人公・沙苗を演じた際の例として、橋本さんは話を続ける。

「脚本を読んで、自分が思うところを全て、“ああなんじゃないか”“こうなんじゃないか”と手で紙に書いていくんです」

――演じるキャラクターに厚みを持たせていくのでしょうか。

「厚みというか、役に入っていく感覚です。“演じる役柄の人物”という器があって、そこに自分が入る感覚があります。そこに入りきったな、と“バチッ!”となる瞬間があって、そうなると“もう大丈夫”と」