人生どう流れていくのかを楽しんでいる自分がいる
最初は、こういう悪役ってこれまでほとんど演じたことがなかったので、そういう意味でも難しさを感じ、しっかり演じ切れるかな……って不安もありました。あまり笑わないキャラでもあるんですけど、監督さんと話し合って、表情やしゃべるときの口の動かし方で嫌悪感を増長できれば良いなって思っているんです。見てくださる方にしっかりと嫌われるように芝居しなきゃいけないんで、そこにやりがいを感じますね。
プライベートでは50歳を過ぎて人生の折り返しに突入しました。やりたいことはいっぱいありますよ。生でシロナガスクジラを見たいし、南極でコウテイペンギンも見てみたいし……。
仕事に関して言えば、呼んでいただいた現場でしっかりと、その一員として全うしようとはいつも思っています。それで見てくださった方が楽しんでもらえたら、それだけで「ホントに幸せやな」って思うんです。
若い頃は「これはOK」とか「あれはイヤや」みたいなことの線引きをしていたんですけど、今はそれもないですね。人生どう流れていくのかを楽しんでいる自分がいるんです。
デビューしたときは役者の仕事をしていると思ってなかった。これから先もどんな流れに乗って、どんな場所に流れてたどり着くのかな……みたいなことを楽しめる人生でありたいですね(笑)。
田中直樹 たなか・なおき
1971年4月26日、大阪府生まれ。O型。T181。1992年、遠藤章造とお笑いコンビ『ココリコ』を結成しデビュー。バラエティ番組を中心に活動する一方で、俳優として多くのドラマや映画に出演を果たす。2001年に公開された出演映画『みんなのいえ』での演技で第25回日本アカデミー賞新人俳優賞・話題賞を受賞。
■ドラマ『ジャンヌの裁き』(テレビ東京系)
少女漫画家でシングルファーザーである越前剛太郎(玉木宏)は検察審査員に任命される。検察が不起訴処分とした事件を市民の立場から審議することになった越前剛太郎は悪戦苦闘しながらも事件の真相に迫る。そんな越前剛太郎の前に東京地検特捜部部長の桧山卯之助(田中直樹)が立ち塞がる……。
ⓒ「ジャンヌの裁き」製作委員会