1992年、遠藤章造とお笑いコンビ『ココリコ』を結成しデビューした田中直樹。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』をはじめとした人気バラエティ番組で活躍する一方、実力派俳優として多くのドラマや映画に出演。お笑いでも演技でも、第一線を走り続ける彼の「THE CHANGE」とはーー?【第2回/全2回】

田中直樹 撮影/イシワタ フミアキ

 俳優の仕事をさせてもらえるようになって、主役をやらせてもらった作品も、いくつかあります。

 主役は共演者やスタッフを束ねなきゃいけないっていう人もいますけど、僕が気にかけているのは、どのタイミングで差し入れをするかということ(笑)。結局はチームなんで、どんなものを入れればみんな喜んでくれるかな……ってことしか、最初はホンマに考えていなかったです。

 今回出演させてもらっているドラマ『ジャンヌの裁き』(テレビ東京系)ですが、ジャンルでいうと司法ドラマです。最初はテーマである検察審査会って知らなかったんです。自分とは関係ない事案に話し合いを重ねていって、起訴相当、不起訴相当だっていうジャッジを下すんですけど、他人のために自分はどれぐらい動けて考えられるか……ということをとても考えさせられるドラマだと思うんですね。

 最初は無関心だったのに、人のために何かをする行動に変わっていくーーそれがとても素敵で同時に人生の生き方みたいなことを教えてもらったりもすると思うんです。

 僕が演じる桧山という男は東京地検特捜部長。玉木宏さん演じる主人公である検察審査委員のメンバーとは対峙する側の人間です。最初にプロデューサーから「とっても嫌な役です」って聞かされていましたが、台本を読んだときに「ホンマや」って思いましたね(笑)。

 人を見下したり、高飛車だったり、横柄なところがあったり……法に携わる人間なのに、自分のエゴのために手段を選ばないんです。そこはヤバいですよね。演じながらも桧山に共感できることを探していたんですけど、最初はなかなか見つからなかった(笑)。