演技そのものを「面白い」と感じられる俳優になりたい
それから、もう8年。こちらで年数を重ねる中で、「また韓国でやりたい」と思う瞬間もあれば、「あんなにキツい思いはもうしたくないなぁ」と思う瞬間もあります。
キツいというのは、たとえば舞台挨拶などで、冷や汗をかきながら韓国語でアドリブのコメントを言わないといけないことなどです(笑)。
ただ、日本でキャリアを重ねてこれたからこそ、もう一度韓国で縁のある方、その代表がキム監督ですが、そんな方々と一緒に作品を作りたいという思いがあります。
そして、活動する場がどこであれ、演技そのものを「面白い」と感じられる俳優になりたい。「interesting」という意味合いでは、すでに感じているけれど、子どもが夢中で遊んでいるときに感じているだろう「面白さ」。それを得るのが、究極の目標です。
これまでも、それに近い感覚は体験してきたんです。
たとえば共演者と、気持ちと気持ちで台詞を交わしてシーンを作れたとき。役柄が自分の中に深く入っていると感じたとき。
そんな瞬間があるから、またやりたい、あの感覚を味わいたいと思うんです。
2つの国で仕事をしてきて思うのは、それぞれの国に、それぞれの良さがあるということです。『冬のソナタ』以来、日本では韓国ドラマが非常に人気ですが、僕が韓国にいたころ、有名な俳優さんが日本のある作品を観て「こういう作品は、韓国では絶対にできないね」とおっしゃっていました。
僕はその言葉を聞いて誇りに思うと共に、日本ならではの良い作品を作ったら、必ず世界が観てくれると確信しています。
『ゴールデンカムイ』は、まさしくそんな作品になっていると思います。
大谷亮平 おおたにりょうへい
1980年10月1日生まれ。大阪府出身。日本でモデルとして活動後、2003年に韓国で出演したダンキンドーナツのCMが注目され、活動の拠点を韓国に移す。CM、ドラマ、映画で活躍し、2016年から日本での活動を開始。主な出演作はドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)、NHK連続テレビ小説『まんぷく』など。24年2月18日より、主演ミュージカル『ボディガード』が上演予定。
■映画『ゴールデンカムイ』
現在、全国東宝系にて公開中。
明治末期の北海道を舞台に、膨大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリーと、厳しい大自然の中で魅力的なキャラが躍動するサバイバル・アクション。日本映画界の粋を尽くした血湧き肉躍る、エンタメ超大作!
出演:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦/ 矢本悠馬、大谷亮平、玉木宏、舘ひろし ほか