眼光鋭いアウトロー、不器用な愛され男子、完璧な仕事をこなす頼れる部下……高良健吾さんを思い浮かべるとき、さまざまな作品での印象的な役柄を同時に想起してしまう。その共通点は、作品に対する真摯なまなざし。作品ごとに、前作品でのイメージをいっきにチェンジする力を持つ高良健吾さんが語る、「THE CHANGE」とは。【第2回/全5回】

高良健吾 撮影/三浦龍司

 カメラのレンズに、真剣な眼差しを向ける高良健吾さんは、意味深な間をとったあと、こう言った。

「私のTHE CHANGEは、生まれてきたことです」

 カットがかかり、インタビューを始める。その言葉の真意を問うと、さきほどの真剣な眼差しとは打って変わった自嘲含みの表情で「いや、ギャグですよギャグ」と、話してくれた。

ーーギャグ、ですか?

「生まれてきたことは確かに変化の始まりであって、みんなそうだよなあ、と思って思いついたんですが……ギャグですよ……。みんな真剣に聞いているなあと思って、恥ずかしかった……」

ーーそうだったんですか! あまり深く聞かないほうがいいですか?

「はい……いやもう、ぜんぜんギャグだったんで」

 開始1分で惹きつけられるギャップを見せつける高良さんに、あらためて「高良さんにとって、THE CHANGEとは?」を問う。