1984年に芸能界入りした斉藤由貴。翌1985年の2月に、現在も卒業シーズンの定番曲として愛され続けている『卒業』で歌手デビューを飾り、4月には『スケバン刑事』(フジテレビ系)で連続ドラマに初主演。歌手として、女優として順風満帆なスタートを切った。そんな80年代を代表するトップアイドルである彼女は現在、俳優として高く評価されている。他の俳優とは一線を画す存在感と演技力で、今年、芸能界デビュー40周年を迎えた彼女。「演技をしているときや歌を歌っているときが、一番自分らしくいられる」と語る斉藤さんの「THE CHANGE」とはーー。

斉藤由貴 撮影:有坂政晴

 

「お会いできてドキドキしています」。1984年に芸能界入りし、一線で走り続けている斉藤さんに正直な気持ちを伝えると、「月日だけたっちゃって」と優しくほほ笑む。

 最新の出演作となる映画『マッチング』では、怪しげなオーラを振りまく、謎の女性を演じている斉藤さん。もちろん、目の前の斉藤さんからは怪しげなオーラを感じることはなく、いわゆるスター特有のオーラというよりも、どこか謙虚さを感じさせた。

 椅子に腰かけながら、机の上に置かれた砂時計を斉藤さんが、少し不思議そうに見つめた。

――サイト「THE CHANGE」のアイコンが砂時計なんです。斉藤さんが人生のTHE CHANGEと言われて浮かぶことはなんでしょう。

「世界が変わったのは、やっぱりデビューしたとき。それまで、あまり自分に自信がなかったんです。子どもの頃から、“私って、なんなんだろう”と思っていて。学校でもあまりうまくいってなかったので。それが突然、自分の存在を認めてくれる世界に入った。この業界に入って、この世界に入って。何が一番うれしかったかといったら“私、ここにいてもいいんだ”と思えたことです。とても大きかったです」