モデル活動がきっかけでテレビ番組に出演

 地元が大阪の桐谷さんは、それまで東京に出ることは全く考えていなかったそう。このあと母親に相談した結果、大学に行くことを条件に許可をもらったことを明かしてくれた。

「おかんとしては大学に4年間行ってちょっと頭を冷やしてほしいと考えてたんでしょうね(笑)。でもこっちはとにかく上京できるならなんでもよかったので、大学を受けてみたら無事に合格して。そこから東京での生活がスタートしました。大学受験に受かってまたまた浮かれていたのか、入学式でも、大学内のサークル勧誘ほぼ全部顔出して“俺BIGになります!世界を獲ります!”なんて言って回っていましたね(笑)。そうしたら“お前おもろいな。今日一緒にクラブに行こうぜ”とあるサークルの先輩に誘われてクラブに行き、お立ち台で踊りまくっていたら、今度は外国人に声をかけられたんです。実は業界の関係者の方で、僕がこの世界に入る大きなきっかけをくれました」

 その人物からモデル事務所を紹介されて所属することになった桐谷さん。深夜番組のオーディションに合格し、1999年にブレイクするモデルの3人のうちの一人としてテレビ出演を果たした。

「そのテレビ出演がきっかけで、とある演技のレッスン場に通うことになったんです。そして更にそのレッスン場で今の事務所の社長とマネージャーと出会ったのですが、本当に不思議な縁で繋がったというか。だから“ターニングポイントはいつですか?”と聞かれても“出会いの一つ一つがターニングポイントです”と答えるしかなくて。どれか一個でも出会いが欠けていたら今の自分はいないんですよね。それは決して格好つけて言っているいるわけではなくて、大学もクラブも深夜番組も必然の出会いだったんだと思います」

 どの出会いも必然だったと真剣な眼差しで答える桐谷さんの言葉から、真っ直ぐな人柄が伝わってきた。

インタビュー:奥村百恵

桐谷健太(きりたに・けんた)
1980年生まれ、大阪府出身。02年俳優デビュー。07年、『GROW愚郎』で映画初主演。20年、ドラマ「ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~」で民放ドラマ初主演。近年の出演作に、映画『ラーゲリより愛を込めて』(22年)、『アナログ』(23年)、ドラマ「インフォーマ」(23年)、「院内警察」(24年)などがある。

■作品情報
桐谷健太最新主演作
「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」
3月3日(日)午後10時より放送・配信スタート(全5話)
【WOWOWプライム】【WOWOW 4K】にて放送(第1話無料放送)、【WOWOWオンデマンド】にて配信

原作:真梨幸子「坂の上の赤い屋根」(徳間文庫)
監督:村上正典
出演:桐谷健太 倉科カナ 橋本良亮 蓮佛美沙子 斉藤由貴 他
製作著作:WOWOW
https://www.wowow.co.jp/drama/original/akaiyane/

『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』より