２００２年に俳優デビューを果たした桐谷健太。ドラマ「ＲＯＯＫＩＥＳ」の平塚役で知名度を上げ、２０１５年から始まったａｕのＴＶＣＭソングで歌手デビューも果たした彼は、今年で俳優生活２２年を迎える。４０歳を過ぎてからは主演作も多数こなし、３月３日から放送・配信スタートのＷＯＷＯＷドラマ「連続ドラマＷ 坂の上の赤い屋根」では、女子高生両親殺害事件を追う中で黒い感情に巻き込まれていく編集者を演じることでも話題に。彼の俳優人生におけるＣＨＡＮＧＥを聞く。【第１回／全５回】
“俳優”という職業を見つけたとき、過呼吸になった
俳優デビューしてから２０年以上のキャリアを持ち、近年は主演作が続いている桐谷健太さん。この世界に入ろうと思ったきっかけは、子どもの頃に観た名作だった。
「僕は大阪出身なのですが、物心つき始めた５歳ぐらいの頃に、映画館で『グーニーズ』を観て衝撃を受けたのを覚えています。もしかしたらそれより前にもこの世界にビビっときたものがあったのかもしれないですけど、記憶としてすごく印象に残っているのが『グーニーズ』で、“この四角いスクリーンの中に入りたい”という願望が芽生えたきっかけの作品でした」
５歳の桐谷少年は“どうしたらあの世界へ行けるのか？”というモヤモヤを抱えながら中学生になり、学校で配られた職業選択のプリントを見て自分の進むべき道がわかったという。
「パイロットとか警察官とかいろんな職業が書かれていて、その中に“俳優”の文字があったんです。中学生の頃は、子どもの頃からずっとスクリーンの中に入る方法がわからずに悩み続け、思いが強すぎるあまりにそこから目を逸らし始めていた頃だったんです。ですが、“俳優”という文字を見た瞬間になぜか過呼吸になってしまって（笑）。様子がおかしい僕を見て隣の席の子が、“先生！ 桐谷くんが大変です！”と心配していましたけれど、僕は“いつまでも見て見ぬふりをしていたら、一生過呼吸してしまう。だから絶対に俳優になるんだ”と心の中で呟いていました。そこから将来への意識が変わったように思います」
その後、高校生になった桐谷さんは本格的に行動を開始。雑誌に掲載されたオーディションに手当たり次第応募していたそうだが…。
「たくさんオーディションを受けましたけど全然ダメでしたね…。でもある日、アメリカ村を歩いていたら“ヘアショーのモデルをやりませんか？”と声をかけられたんです。それでOKしてモデルをやらせてもらい、そこにいたモデルさんやスタッフさんに“俺は俳優になって世界を獲りますよ”なんて言い回っていたんです。そうしたら、ある人から“ほな、東京に行かんとな”と言われて、“え！？東京…！なるほどな……”と。それが高校２年か３年生の時でしたね」
