テレビ出演が続いた時代「忙しすぎて遊ぶ暇もなかった」

ENRIQUE 撮影/冨田望

 バービーがデビューした80年代はまだ歌謡曲全盛期で、バンドが音楽番組に出演するのは珍しかった。バービーは音楽番組への出演には抵抗はなかったのだろうか。

「俺たちは音楽番組への出演は拒否したりはしなかった。『ザ・ベストテン』、『トップテン』、『夜のヒットスタジオ』とか、いろいろと出ていたほうじゃないかな。俺らの前の世代では、テレビに出ないのがステータスだった時期があったけれど、バービーはそういうタイプではなかったから。

 当時は、生演奏だったから、その緊張感はすごかった。曲紹介が終わった後に、アンプのスイッチが入っていなかったこともあった。テレビ出演を楽しんでいるというより、ライブをやっている感覚に近い。売れてからはすごく忙しくて、本当に四六時中ずっとメンバーと顔を合わせている状況で、遊ぶ暇もなかった」

 バービーの最初のヒット曲となった『女ぎつねon the Run』や『泣いたままでlisten to me』が収録されたアルバム『LISTEN! BARBEE BOYS 4』(1987年リリース)のジャケットでは、それまでのシックなイメージとは一変し、メンバーが色とりどりな鮮やかなファッションに身を包んでいる。

「あんな格好しているやつがいたら、びっくりするよね。バービーは音楽だけではなくて、ビジュアルコンセプトもこだわりぬいていた。あのジャケットもゲラゲラと笑ってしまいそうなファッションなので、全然そういう方向にいっていないんだよね。自分でも“王子様じゃん、これ”って言っていた。

 レコード会社の宣伝の人が、バービーに“セクシービートマジック”っていうコピーを付けていたけれど、言いえて妙だなって思う。バービーって、男女ボーカルで、サックスが入っていてって説明するためにいくつも単語が必要なのに、その一言で、バービーの魅力を全部ひっくるめて表現できている。あと“暗い 速い うるさい”っていうコピーもあったな(笑)。明らかに明るい曲よりも、ちょっと暗い感じの曲が多かったからだったのかもしれないですね」

 抜群の記憶力で、バービーの活動を振り返るエンリケさん。彼の言葉から、メンバーが誰一人欠けてもバービーは存在できないという強い思いが感じられた。

ENRIQUE(エンリケ)
1964年生まれ・コロンビア出身。1984年バービーボーイズのベーシストとしてデビュー。1992年にバービーボーイズ解散後は、江口洋介や永井真理子のバックバンドに参加。現在は再結成したバービーボーイズとしての活動をしながら、自身のバンドであるBICYCLEや、2023年に再加入したTHE STREET BEATSの活動も続けている。

撮影協力:アーティファクト・ミュージックスクール御茶ノ水本校

■ライブ情報
『蜂の四十年 俺のROCK自由祭』
還暦を迎えたエンリケ主催の公演。いまみちともたかや杏子も出演予定。
2月3日(土)クラブチッタ 開場16:00 開演17:00
2月9日(金)大阪・BIGCAT 開場17:00 開演18:00