２００９年にデビューして以来、確かな演技力でキャリアを重ねてきた俳優・中川大志さん。映画、ドラマから舞台まで、そして現代物から時代劇まで、数々の話題作に出演し、幅広い役柄で魅力を放つ中川さんの「ＴＨＥ ＣＨＡＮＧＥ」とは――。【第２回／全４回】
今や、映画やテレビドラマに欠かせない俳優である中川大志さん。２０２２年のＮＨＫ大河ドラマ『鎌倉殿の１３人』の武士・畠山重忠、『家政婦のミタ』での阿須田家長男・翔、ＮＨＫ朝ドラ『なつぞら』のヒロインの夫・坂場一久、そして５月１７日から公開の映画『碁盤斬り』では葛藤する商家の手代・弥吉と、映像の中でさまざまな役柄を演じ、存在感を高めてきた。
しかし、彼の中にはひとつの思いがあったという。
「小学生でデビューしてから映像中心だったので、舞台でのお芝居をやりたい――ずっとそう思っていました。もちろん、映像のお仕事は大好きですし、やりがいを感じています。でもそれは、僕が２年前に舞台を経験させてもらえたからこそ、改めて感じられたことかもしれません」
幼い頃からジャズダンスを習っていた中川さんは、デビュー前にミュージカル作品に出演した経験もあり、いつかまた舞台に立ちたいと思っていたという。その思いが叶ったのは、『鎌倉殿の１３人』と同じ２０２２年のこと。『歌妖曲～中川大志之丞変化～』という、シェイクスピアの『リチャード三世』が原作の音楽劇で、初めて「座長」を務めた。
「これは自分にとって大きな転機でした。演技をするという意味では、映像も舞台も根本的には同じなんですけど、これまでに足を踏み入れたことがない世界……ゲームでいうと、“今まで入れなかったエリアがようやく解放された！”みたいな（笑）。うわぁ、こんな世界があるなんてどれだけ広いんだ！ と嬉しくなりましたね」
