「人生の選択にとらわれないで活動を続けられるアイドル」になりたかった

 未鈴さんがアイドルを続けながら結婚をしたのには強い意志があった。

「女性アイドルって、年齢なのか、結婚というタイミングなのか、いつか卒業する時期があるって考えていました。だからこそそういう人生の選択にとらわれないで活動を続けられるアイドルになれたらめっちゃ良いなって思ってたんです。職業としてのアイドルという身分をもっと高めたいというか……。

 自分自身がアイドルを好きだったから、そういうふうな存在になりたかった。私にも結婚という人生に変化が訪れて、もちろん“アイドルを辞める”という選択肢もあった。本当はやめたくなかったのに、それを選ばなきゃいけない人もいたと思う。

 私も“アイドルを続けたい”と言ってきたけれど、いざ自分が結婚したらどうやって続けていけばよいのかすごく悩んでしまった。辞めようかということを相談したこともありましたが、周りが“頑張ってやってみよう”ってすごく背中を押してくれました」

 未鈴さんが結婚を発表後、ももいろクローバーZ百田夏菜子さん、Negiccoなど結婚しながらアイドル活動を続ける女性も増えてきた。そのような時代の流れについて、自身はどのように感じているのだろうか。

「私が結婚を発表したとき(’19年)は、アイドルも引退などしないで結婚しても活動ができる時代になると良いなって思っていました。“私がそういう流れにするぞ!”みたいな野心はなかったですが。アイドル戦国時代と呼ばれた時に活動してきた人たちが、結婚しながら活動をしているのを見ると、私は世の中の流れに一石を投じられたのかもしれないな、私がアイドルをやってきた意味があったなって感じます。