「子育てには正解がない」と思っている

 未鈴さんの息子は現在2歳で、7月には3歳になる。「魔の3歳児」という言葉もあるほど、子ども自身の我が芽生え始め、「いやだ」という行動が増えるイヤイヤ期を迎える。

古川未鈴 撮影/冨田望

「もうずっとイヤイヤ期ですね(笑)。私のことを殴ってくるし、ご飯も飛ばしてくる。悪気がないので仕方ないですが……。でも不思議と、育児でストレスを抱えたりはしていないです。仕事に関して時間の制約があるのはつらいですが。

 育児の大変さに対しては、“そんなものだよね”って受け止めています。いろんなことをのびのび育っている証拠だなっていう気持ちで受け止められるのは、自分のいいところかなって思います」

 未鈴さんはかつてブログで「炊飯器を持っていない」(’21年)と発言し、炎上を経験している。なんでも包み隠さないのが未鈴さんの魅力であるが、文面だけが切り取られてしまい誤解を受けた。

「料理ができないので炊飯器を持っていないって書いたら、“子どもが生まれるのに、炊飯器を持っていないなんて親としてありえない”って炎上してしまいました。子育てって、その人がやってきたやり方を正義として振りかざしたくなるのかもしれないというか……。でも正解はないって思うんです。

 私は今もあまり料理は作っていないんですが、それは、以前料理を作ったら野菜に火がきちんと通っていなくて息子が泣いてしまったことがあったから。料理が上手ではないんで、そんな失敗のリスクがあるんだったら、手ごろな値段の総菜を買ったほうが時間もかからずに美味しいのでいいかなって、私は思っています。また、怒られてしまいそうですが……(苦笑)」

 苦手だと公言していた料理にも、最近は挑戦をしている。

「実は時短家電も取り入れて、色々やってみています。ホットクック(ヘルシオホットクック・電子圧力鍋)で、カレーを作ったりお米も炊いています。作ったカレーは冷凍しています。本当にそれくらいなんですが、成長していますよね(笑)。育児も自分のライフスタイルに合ったやり方で良いって思います。時短できるものがあれば、そこにお金をかけたい」

 飾らない言葉で、自身の育児について語る未鈴さん。働く女性が増え、社会でも活躍するようになってきている現代。未鈴さんのアイドルと育児の両立に、勇気づけられる人もいるはずだ。

(取材・文)池守りぜね

ふるかわ・みりん
香川県高松市出身。でんぱ組.incのメンバー。キャッチフレーズは「歌って踊れるゲーマーアイドル」。でんぱ組.incの活動以外にも、ゲーム関連の雑誌での執筆やゲームの動画配信なども行っている。2019年、漫画家の麻生周一と結婚を発表。2021年第一子となる男児を出産。