大切な人を振り回したことへの申し訳なさ
ーー芸歴40年以上で、数々の修羅場をくぐってきていると思いますが、これまでの修羅場の比ではなかった?
「そうですね。家族や事務所のスタッフにも、いろいろなことが事後報告だったりして、振り回して迷惑や心配をかけてしまって。そういった、大切な人を振り回したことへの申し訳なさもありましたしね。政治の世界は、ある意味怖いというか、戦国時代といいますか、常に自分のわきをぐっと締めておかないといけない、という緊張感も持っていましたしね」
特に家族について「妻は、いろいろと思うところがあったと思う」と、言葉少なめに振り返る。
「ただありがたいことに、その時期も地方の仕事のオファーはいただけていたので、家族も会社スタッフもいるし、いままでずっとひとりで回してきたように、そこはやりきろうと仕事をしていました」
そして昨年の夏、「とりあえず、はじめの一歩を踏み出さなければなにも動かない」と奮起した。
「ライブをやろうと決意して、準備を始めたんです。改めて芸能活動をしていくという所信表明的な気持ちを込めて。なかなか踏み出しづらかったのですが、こういうときは焦ってもしょうがないし、静かに、なにかが変わるのを待つしかない、と日々考えていました」
そして昨年12月2日に東京、そして12月22日に名古屋で、ライブを開催した。ステージで輝く大沢さんの姿にファンは安堵し、おおいに興奮し、「ミッキーにはステージが似合う!」というポジティブな声があふれた。が、誰も知らぬ水面下で、大沢さんの精神状態は悪化の一途をたどっていたのである。
「ライブに向かうときから、つらかったんです。“ライブ、できるのかな”と、正直かなりつらい状態でした。でも決まっていることだし、集まってくれているファンのためにやりたかった。いざステージに立つと、全力で走り抜くことができましたが、終わった途端、ドーンときてしまったんです」